本資料は11月9日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。

2021年第3四半期

バイエル、大幅な増収増益

グループ売上高は前年同期比14.3パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の97億81百万ユーロ /特別項目計上前EBITDAは前年同期比16.4パーセント増の20億89百万ユーロ /クロップサイエンス部門は売上高と利益が力強く増加 /医療用医薬品部門とコンシューマーヘルス部門は再び好調な売上高の成長を計上 /1株あたりコア利益は前年同期比29.6パーセント増の1.05ユーロ /当期純利益は85百万ユーロ /フリー・キャッシュフローは19億54百万ユーロと好調を維持 /    業績予測を修正し、好調な業績を確認

ドイツ レバクーゼン、2021年11月9日 ― バイエルグループは2021年第3四半期に売上高と利益の大幅な増加を記録しました。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、9日に行われた2021年第3四半期決算発表において「当社は力強い業績を上げ、すべての部門が力強い成長の勢いを示しました」と述べました。農業関連事業において大幅な成長を計上したほか、医療用医薬品部門は特に眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®」の大幅な売上増の恩恵を受けました。コンシューマーヘルス部門の事業はすべての地域と製品カテゴリーにおいて拡大しました。これをうけて、当社は8月に発表した上方修正後の2021年度業績予測をさらに更新しました。
2021年第3四半期のグループ売上高は、為替およびポートフォリオの影響の調整後(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で14.3パーセント増加して、97億81百万ユーロとなりました。為替のプラス影響は67百万ユーロでした。特別項目計上前EBITDAは16.4パーセント増加して20億89百万ユーロとなりました。これには為替のマイナス影響44百万ユーロが含まれています。EBITは、特別損失純額6億94百万ユーロ(2020年第3四半期:101億81百万ユーロ)の計上後で5億30百万ユーロ(2020年第3四半期:マイナス93億99百万ユーロ)となりました。特別損失は主として全3部門の事業再編策に関連するものです。当期純利益は85百万ユーロ(2020年第3四半期:マイナス27億44百万ユーロ)となりました。その一方で、クロップサイエンス部門における事業の進展が主な要因となって、1株あたりコア利益は29.6パーセント増加して1.05ユーロとなりました。


フリー・キャッシュフローは58.0パーセント増加して19億54百万ユーロとなりました。2021年9月30日時点の純金融負債は2021年6月30日から1.1パーセント減少して、339億81百万ユーロとなりました。

 

 

クロップサイエンス部門は力強い売上高の増加と大幅な利益の成長を報告

農業関連事業(クロップサイエンス部門)では、販売量と販売価格の大幅な上昇により、売上高は25.8パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の38億50百万ユーロまで増加しました。返品率の低下と遅れていたライセンス収入の受領を要因とする北米地域の売上増により、トウモロコシ種子および形質は特に力強く成長しました(為替・ポートフォリオ調整後:92.6パーセント)。ライセンス収入は、2020年は第2四半期に計上されましたが、本年は予定通り第3四半期に計上されました。害虫駆除の新形質「VTPro4」を発売したほか、販売量の増加と販売価格の上昇により、中南米地域でも売上高が増加しました。大豆種子および形質も、北米地域 (返品率の低下とライセンス収入の増加が要因)と中南米地域(販売価格の上昇と販売量の増加の結果)の伸びに牽引されて、力強い成長(為替・ポートフォリオ調整後:58.0パーセント)を記録しました。除草剤も売上高の大幅な増加(為替・ポートフォリオ調整後:15.2パーセント増)を計上し、主にグリホサート含有製品の価格上昇および販売量の増加により、北米地域とヨーロッパ・中東・アフリカ地域において力強い伸びを記録しました。


クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは4億71百万ユーロ(2020年第3四半期:マイナス34百万ユーロ)に増加し、マージンは12.2パーセントとなりました。販売価格の上昇と販売量の増加、ライセンス収入の増加、および進行中の効率性改善プログラムからの貢献が、利益改善の主な要因となりました。その一方で、特に売上原価の増加により利益が押し下げられました。

 

 

医療用医薬品部門は増収を報告 ― 新製品が後押し

 

処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は7.1パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の45億39百万ユーロまで増加しました。同部門の眼科領域の事業は市場シェアを高めることができ、また新型コロナウイルス感染症対策の影響からの回復が、特にヨーロッパ地域において続きました。その結果、「アイリーア®」の売上高は19.0パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。経口抗凝固剤「イグザレルト®」の売上高は、特にロシアとドイツにおける大幅な販売量の増加が中国における価格面の低下を相殺し、4.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の増加となりました。当社の高血圧・狭心症治療剤のひとつである「アダラート®」の売上高は、中国における販売量の増加により、24.2パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。また、米国で販売量が増加した結果、肺高血圧症治療剤「アデムパス®」の売上高は増加しました(為替・ポートフォリオ調整後:21.0パーセント)。抗悪性腫瘍剤「ニュベクオ®」の売上高は、米国における発売が成功したことにより、大幅な増加が現在も続いています。その一方で、抗悪性腫瘍剤「ネクサバール®」の売上高は前年同期に比べて減少し(為替・ポートフォリオ調整後:27.8パーセント)、特に中国では、激しい競争とさまざまな有効成分区分の入札手続の変更が売上にマイナスの影響を及ぼして減少しました。


医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは9.8パーセント減の13億66百万ユーロに減少し、その結果、マージンは30.1パーセントとなりました。主に「ニュベクオ®」を含む新製品の発売に起因するマーケティング費用の増加と、同部門の細胞・遺伝子治療ユニットに一部関連した研究開発費の増加により、利益が押し下げられました。

 

 

コンシューマーヘルス部門は成長を継続し、利益が増加

 

セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、すべての地域と領域において成長し、非常に好調であった前年同四半期から10.9パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の13億46百万ユーロとなりました。栄養補助食品領域において高い需要が続き20.1パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の売上増となったことと、年間を通じてすべての領域で革新的な製品が発売されたことが主な要因となり、事業に恩恵をもたらしました。解熱鎮痛薬および循環器領域も17.4パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)と特に力強い成長を記録しました。


コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは2.3パーセント増の3億8百万ユーロに増加しました。その結果、マージンは22.9パーセントとなりました。同部門の好調な業績と継続的なコスト管理への取り組みが利益の成長を促しました。これは革新的な製品の発売に伴う投資と、インフレに関連するコストの増加により、一部相殺されました。

 

 

業績予測を更新

 

第3四半期の非常に好調な業績を受けて、バイエルは、8月に発表した上方修正後の2021年度業績予測を修正しました。為替の影響調整後(すなわち2020年の月間平均為替レートを適用した場合)は、引き続き売上高は約440億ユーロとなると予測しています。これは現在、為替およびポートフォリオの影響調整後で約7パーセント(従来予測:約6パーセント)の成長に相当します。為替の調整後特別項目計上前EBITDAマージンは従来と変わらず約26パーセントと予測しています。また、1株あたりコア利益は為替の影響調整後で約6.50ユーロから6.70ユーロ(従来予測:約6.40ユーロから6.60ユーロ)になると予測しています。現在、グリホサート訴訟の和解金の一部を2021年ではなく2022年に支払うことを予定しているため、フリー・キャッシュフローは約マイナス5億ユーロからマイナス15億ユーロ(従来予測:約マイナス20億ユーロからマイナス30億ユーロ)となると予測しています。加えて、年末時点の純金融負債は為替の影響調整後で約355億ユーロ(従来予測:約360億ユーロ)になると予測しています。


2021年9月30日時点の決算日レートを適用した場合、当社は、通年の売上高は約430億ユーロになると引き続き予測しています。これは現在、為替およびポートフォリオの影響調整後で約7パーセント(従来予測:約6パーセント)の売上増に相当します。特別項目計上前EBITDAマージンは約25.5パーセント(従来予測:約25パーセント)になると予測しています。また、1株あたりコア利益は約6.10ユーロから6.30ユーロ(従来予測:約6.00ユーロから6.20ユーロ)になると予測しています。フリー・キャッシュフローは現在、約マイナス5億ユーロからマイナス15億ユーロ(従来予測:約マイナス20億ユーロからマイナス30億ユーロ)になると予測しています。純金融負債の予測は従来と変わらず約350億ユーロとしています。

 

 

「健康と食糧にとって極めて重要な新たなテクノロジー」

 

バウマンは、イノベーションを実現するバイエルの力強さを強調して「第3四半期の業績は、当社が経営面の展開と新製品の発売という2つの観点から、極めて正しい方向に向かっていることを示しています」と述べ、また「私たちは企業戦略とイノベーションの潜在力を、体系的に重要な領域である健康と食糧に向けて調整してきました。そうすることで『気候変動に直面する中、増加する人口に対していかにして食糧を提供し、かつ健康上のニーズを満たすか?』という根本的な重要課題の解決を支援することを目指しています」と述べました。


新たなテクノロジーはこの点で極めて重要であるとバウマンは説明しました。当社はパートナーとともに、社会に真の変化をもたらせるようなテクノロジーに関わる多くのプロジェクトに取り組んでいます。例えば、当社は、現時点で治療法のない神経系疾患であるパーキンソン病を対象とする2つの新しい治療アプローチに取り組んでいます。また、Leapsを通じて、バイオテック関連スタートアップ企業3社にも投資しています。これらの企業は微生物エンジニアリング研究においてさまざまなテクノロジーを利用し、将来、より多くの作物が自らを施肥する道を拓く可能性があります。これによって農業従事者たちが窒素肥料(世界の食糧の約40パーセントの栽培に使用されており、世界の温室効果ガスの全排出量の約4パーセントを占める)の使用を回避できるようになり、気候保全にとっては非常に歓迎すべきニュースとなります。

 

サステナビリティ:供給契約を通じて調達された再生可能エネルギー量は3倍に増加

 

当社は積極的なサステナビリティ目標にも集中的に取り組んでおり、2030年までに自社の生産活動におけるカーボンニュートラルの達成を約束しています。よりエネルギー効率の高い設備への投資やテクノロジーの構築に加え、再生可能なエネルギー源も広範囲で利用しています。当社は本年、第3四半期末時点で前年の3倍増に相当する約40万メガワット時の再生可能エネルギーを利用する契約を締結しています。


また、特に中・低所得国における家族計画へのアクセス向上を目指す取り組みを強化するため、先般、コスタリカにおける新たな生産拠点の建設と、フィンランドの既存施設の拡張を開始しました。将来、この2つの拠点で長期作用型の可逆的な避妊薬を生産することになっています。これらの投資は、2030年までに1億人の女性に最新の家族計画へのアクセスを提供するというバイエルのサステナビリティ目標の達成に向けたマイルストーンとなります。

 

 

 

バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じ重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し事業を通じて良い影響を創出することに尽力します。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は414億ユーロ、従業員数は100,000名(2020年)。特別項目計上前の研究開発費は49億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

将来予想に関する記述 Forward-Looking Statements

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 Forward-Looking Statements が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。