本資料は5月11日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はmedia.bayer.comをご参照ください。
見通しに沿った緩やかなスタート
- グループ売上高は143億89百万ユーロ(為替・ポートフォリオ調整後、前年比1.1パーセント減)
o グリホサート事業における価格の正常化が加速 – クロップサイエンス部門のその他の領域は良好な価格ダイナミクスを実現
o 医療用医薬品部門の新製品は力強い成長 – 中国では逆風
o コンシューマーヘルス部門は引き続き成長 - 特別項目計上前EBITDA:44億71百万ユーロ(14.9パーセント減)
o グリホサートとインフレが利益を押し下げ
o 医療用医薬品部門では研究開発への高い投資額を継続 - 1株あたりコア利益は2.95ユーロ(16.4パーセント減)
- 当期純利益は21億78百万ユーロ
- フリー・キャッシュフローはマイナス41億2百万ユーロ
- グループ業績予測は据え置き – 業績予測の下限で目標を達成する見込み
ドイツ レバクーゼン、2023年5月11日 ― 2023年のバイエルグループは、見通しに沿った緩やかな滑り出しとなりました。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、5月11日に行われた2023年第1四半期決算発表において「売上は、きわめて好調だった前年同期と同等の水準を維持しています」と述べました。グリホサート事業における価格の正常化が加速したものの、この影響はクロップサイエンス部門のその他の領域における成長によってほぼ相殺されたとバウマンは説明しました。医療用医薬品部門では新製品が非常に好調でしたが、中国における売上が入札手続きとパンデミック関連で大きな影響を受けました。グループ利益を減殺した主な要因は、グリホサート事業とインフレによる影響に加え、医療用医薬品部門において引き続き研究開発への投資が高水準で行われたことも影響しました。
バウマンは、2022年の月間平均為替レートに基づき、2023年通年の業績予測を据え置きました。しかしながら、2023年後半には主にグリホサート含有製品の市場価格の大幅な低下に起因する潜在的なリスクを見込んでいると続けました。「その他の事業では、下半期に業績が改善すると引き続き予測しています。全体としては、業績予測の下限で目標を達成できると見込んでいます」とバウマンは述べました。
2023年第1四半期のバイエルグループの売上高は、為替およびポートフォリオの影響の調整後(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で1.1パーセント減少して143億89百万ユーロとなりました。売上高は為替から1億2百万ユーロ(2022年第1四半期:5億29百万ユーロ)のプラスの影響を受けました。特別項目計上前EBITDAは14.9パーセント減少し44億71百万ユーロとなりました。EBITは、特別損失純額4億31百万ユーロ(2022年第1四半期:特別純利益40百万ユーロ)の計上後、29.4パーセント減少して29億73百万ユーロとなりました。特別損失は主としてグリホサート含有製品の市場価格の見通しが大幅に引き下げられたことに起因する減損損失です。当期純利益は33.8パーセント減少して21億78百万ユーロとなり、1株あたりコア利益は16.4パーセント減少して2.95ユーロとなりました。
フリー・キャッシュフローはマイナス41億2百万ユーロ(2022年第1四半期:マイナス11億87百万ユーロ)となりました。この数値にはグリホサート、Dicamba、「EssureTM」、そして、特にPCBに関わる訴訟手続を解決するための支払金の増加が含まれており、これらはすでに通知された通り第1四半期に支払われました。支払額は15億36百万ユーロ(2022年第1四半期:4億76百万ユーロ)であり、引当金を充当しました。結果として、2023年3月31日時点の純金融負債は2022年末から13.4パーセント増加して360億77百万ユーロとなりました。
■クロップサイエンス部門はグリホサート事業を除いて成長
農業関連事業(クロップサイエンス部門)の売上高は、1.1パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少して、83億51百万ユーロとなりました。グリホサート事業を除いたクロップサイエンス部門の売上高は、約8パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。同部門はヨーロッパ・中東・アフリカ地域およびアジア太平洋地域で2桁の売上成長率を達成しましたが、中南米地域および北米地域では主として販売量の減少により売上高が減少しました。除草剤の売上高は、グリホサート含有製品の販売量および販売価格の低下により24.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。一方で、トウモロコシ種子・形質の売上高は、主として北米地域とヨーロッパ・中東・アフリカ地域における販売価格の上昇に牽引され、15.8パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の大幅な増加を達成しました。殺虫剤の売上高は、12.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加となり、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域では「モベント®」が、中南米地域では「CurbixTM」が販売価格と販売量の大幅な増加を実現し、北米地域における販売量の減少を十二分に吸収しました。大豆種子および形質の売上高においても、主として中南米地域における販売量の増加に牽引され、1.4パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の増加を記録しました。殺菌剤の売上高は前年と同水準で、すべての地域における販売価格の上昇が、中南米地域および北米地域を中心とした販売量の減少を相殺しました。
クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、主として中南米地域および北米地域における売上高の減少により、11.0パーセント減少して32億67百万ユーロとなりました。また、特に高いインフレ率による売上原価の増加によって利益が減殺されました。為替からは54百万ユーロ(2022年第1四半期:98百万ユーロ)のプラスの影響を受けました。特別項目計上前EBITDAマージンは、4.3パーセント・ポイント減の39.1パーセントでした。
■医療用医薬品部門は新製品が売上高に貢献
処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、3.1パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少して44億7百万ユーロとなりました。これは、主として中国における入札手続きとパンデミック関連の要因によるものです。これらの影響を特に受けた、経口抗凝固薬「イグザレルト®」や高血圧・狭心症治療剤「アダラート®」の売上高は、それぞれ12.8パーセントおよび23.9パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。一方で、新製品の成功が、引き続き大幅な売上増に貢献しました。抗悪性腫瘍剤「ニュベクオ®」の売上高は2倍以上に増加し、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の治療薬「ケレンディア®」はさらに力強い成長率を記録しました。また、画像診断領域では、CT用造影剤自動注入装置、「ガドビスト®」製品群および「UltravistTM」製品群によって引き続き力強い売上増を達成しました。眼科領域の治療薬「アイリーア®」においても価格が低下したにもかかわらず、北米地域および中南米地域を中心とした販売量の増加によって、売上高が4.5パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。
医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは、主として売上高の減少により、20.4パーセント減少して11億6百万ユーロとなりました。同部門では、細胞・遺伝子治療およびケモプロテオミクス技術、ならびに先進的臨床開発プロジェクトへの研究開発費を増加しました。また、インフレ圧力のため調達価格が上昇しました。為替からは、6百万ユーロ(2022年第1四半期:34百万ユーロ)のマイナスの影響を受けました。特別項目計上前EBITDAマージンは、4.9パーセント・ポイント減の25.1パーセントでした。
■コンシューマーヘルス部門は高水準の業績を維持し、引き続き成長
セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、2022年第1四半期の大幅な成長を上回り、4.1パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加して15億73百万ユーロとなりました。北米地域およびヨーロッパ・中東・アフリカ地域における一時的な供給制限により、成長が減速したものの、4地域のうち3地域で高水準の業績を維持しています。アレルギー薬および感冒薬領域の売上高は、米国での抗ヒスタミンスプレー式点鼻薬「AsteproTM」の上市と、感冒発症率の高止まりを背景に、非常に力強い成長を達成した前年同期から、さらに15.9パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。皮膚科領域でも、「BepanthenTM」の継続的な需要増に支えられ、10.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)となる2桁の成長率を達成しました。一方で、栄養補助食品領域の売上高は10.0パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しましたが、過去3年間の大幅な成長を受け、依然として高い水準にあります。
コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、2.3パーセント減少して3億79百万ユーロとなりました。この結果は、前年同期の業績がきわめて好調であったことに加え、インフレによる著しいコストの増加や「AsteproTM」をはじめとした革新的な製品のマーケティングへの投資による影響に起因しています。しかしながら、同部門では継続的なコスト・価格管理の取り組みにより、これらの影響をほぼ相殺しています。小規模かつ非戦略的ブランドの販売益は、前年同期を下回りました。為替からは4百万ユーロのマイナスの影響(2022年第1四半期:プラスの影響6百万ユーロ)を受けました。特別項目計上前EBITDAマージンは、1.6パーセント・ポイント減の24.1パーセントでした。
■サステナビリティ:再生可能エネルギーに関する画期的契約を締結
バイエルは、サステナビリティへの取り組みを強化し、2030年までに自社の生産活動におけるクライメイトニュートラルを達成するため、米国Cat Creek Energy社と画期的な契約を締結しました。本契約により、バイエルグループ全体の電力需要の40パーセント、バイエルの米国での電力需要の60パーセントを再生可能なエネルギー源で確保することになります。このプロジェクトにより、年間1.4テラワット時にのぼるクリーンな電力を生み出し、これは米国の15万世帯分のエネルギー消費量に相当します。また、この契約により、バイエルは年間37万トンのCO2排出量の削減が可能になります。これは、中型車27万台分の排出量、または3,170万本の木が1年間に吸収できる量に相当します。Cat Creek Energy社との契約は、再生可能エネルギーに関する単一の取引としては米国で最大規模のものになります。
注記:
下記の表には、2023年第1四半期のバイエルグループおよび各部門の主要データが含まれています。また、第1四半期の完全な四半期報告書はインターネット(www.bayer.com/quarterly-statement)から入手可能です。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101,000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエルのビジョンについて
世界中のバイエル社員は、「Health for all, hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というビジョンの実現に向け、革新的な製品とサービスを通じて、医療と食糧へのアクセス向上に貢献しています。私たちは、飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるよう疾病の予防、緩和、治療を支えると同時に、持続可能な農業と生態系の保護を目指しています。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。
日本のバイエルについて
ドイツ・バイエル社の日本法人として、1911年に設立。日本国内にも生産・開発拠点を持ち、医療用医薬品、コンシューマーヘルス、クロップサイエンスの3部門で事業を展開し、ライフサイエンス領域における革新的な製品とサービスを提供しています。詳細は、公式SNSをご参照ください。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。
(バイエル薬品株式会社)www.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTube
(バイエル クロップサイエンス株式会社)www.cropscience.bayer.jp, Facebook, YouTube
バイエル ホールディング株式会社
2023年5月17日、東京
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。
バイエルグループ主要データ、2023年第1四半期
(継続事業)