本資料は8月8日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はmedia.bayer.comをご参照ください。
第2四半期はグリホサート事業の落ち込みが影響
- グループ売上高は110億44百万ユーロ(為替・ポートフォリオ調整後、前年比8.2パーセント減)
- 特別項目計上前EBITDA:25億27百万ユーロ(24.5パーセント減)
- クロップサイエンス部門は、主にグリホサート事業における販売量と価格の急落により大幅減収
- 医療用医薬品部門は堅調な売上(為替・ポートフォリオ調整後)、利益は前年を下回る
- コンシューマーヘルス部門は増収(為替・ポートフォリオ調整後)、利益は微増
- 1株あたりコア利益は1.22ユーロ(36.8パーセント減)
- 当期純利益はマイナス18億87百万ユーロ、23億1百万ユーロの減損損失による押し下げが影響
- フリー・キャッシュフローはマイナス47億3百万ユーロ
- グループ業績予測を7月24日に下方修正
ドイツ レバクーゼン、2023年8月8日 ― バイエルグループは本日、2023年第2四半期の詳細な決算を発表しました。これに先立つ7月24日のニュースリリースで、同四半期の主要業績を発表し、2023年通年の業績予測を下方修正していました。予測の修正に至った主な要因は、クロップサイエンス部門におけるグリホサート含有製品の売上高の大幅な減少です。医療用医薬品部門の売上高は、為替およびポートフォリオの影響の調整後(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で堅調に推移したものの、利益は前年を下回りました。コンシューマーヘルス部門は増収(為替・ポートフォリオ調整後)、増益となりました。
第2四半期のバイエルグループの売上高は、8.2パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少して、110億44百万ユーロとなりました。為替からは5億53百万ユーロのマイナスの影響(2022年第2四半期:9億15百万ユーロのプラスの影響)を受けました。特別項目計上前EBITDAは24.5パーセント減少し、25億27百万ユーロとなりました。この数値には、為替による1億20百万ユーロのマイナスの影響(2022年第2四半期:3億ユーロのプラスの影響)が含まれています。一方、グループ全体の業績賞与引当金の減少により、全部門合計で約4億81百万ユーロの利益を計上しました。EBITは、主にクロップサイエンス部門における予定外の減損テストに起因する特別損失純額24億90百万ユーロ(2022年第2四半期:21億11百万ユーロ)の計上後、マイナス9億56百万ユーロ(2022年第2四半期:プラス1億69百万ユーロ)となりました。その結果、当期純利益はマイナス18億87百万ユーロ(2022年第2四半期:マイナス2億98百万ユーロ)、1株あたりコア利益は36.8パーセント減少して1.22ユーロとなりました。
フリー・キャッシュフローは、主にクロップサイエンス部門の業績低下の影響により、マイナス4億73百万ユーロ(2022年第2四半期:プラス11億40百万ユーロ)となりました。2023年6月30日時点の純金融負債は、2023年3月末日から9.8パーセント増加して396億20百万ユーロとなりました。
■クロップサイエンス部門の売上高はグリホサートを除けば前年と同水準(為替・ポートフォリオ調整後)
農業関連事業(クロップサイエンス部門)の売上高は、主にグリホサート含有製品の販売量と販売価格の低下の影響を受け、18.5パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少して49億24百万ユーロとなりました。北米地域、中南米地域、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域では特にその影響が大きく、除草剤の売上高は45.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。グリホサート含有製品を除くクロップサイエンス部門の売上高は、販売価格の上昇が販売量の減少によって相殺され、前年と同水準でした(為替・ポートフォリオ調整後)。トウモロコシ種子・形質の売上高は、すべての地域における販売価格の上昇と北米地域における作付面積の増加が大きく寄与して、10.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。殺菌剤の売上高は前年同期と同水準でした(為替・ポートフォリオ調整後)。大豆種子および形質の売上高は、主に北米地域における作付面積とライセンス収入の減少により、9.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。
クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、主としてグリホサート含有製品の売上高の減少により、58.5パーセント減少して7億25百万ユーロとなりました。その他の農業関連事業における販売価格の上昇とコスト削減は、この影響の一部を吸収するに留まりました。主にインフレに起因する売上原価の上昇と為替による96百万ユーロのマイナスの影響(2022年第2四半期:2億15百万ユーロのプラスの影響)も利益を押し下げました。
■医療用医薬品部門:新製品により大幅な成長を達成
処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、為替・ポートフォリオ調整後で前年同期と同水準の45億57百万ユーロとなりました。同部門では、新製品の大幅な伸長が貢献しました。抗悪性腫瘍剤「ニュベクオ®」の売上高はほぼ倍増し、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の治療薬「ケレンディア®」の売上高は3倍以上に拡大しました。画像診断領域でも、CT用造影剤自動注入装置および「Ultravist™」製品群に牽引され、成長を続けました。眼科領域の治療薬「アイリーア®」の売上高も伸長し、全地域、特に北米地域およびアジア太平洋地域における販売量の増加に牽引され、5.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。対照的に、中国では高血圧・狭心症治療剤「アダラート®」の入札手続きの影響もあり、売上高が減少しました。全世界では、同製品の売上高は26.1パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。中国での事業は抗血小板剤「Aspirin™ Cardio」(バイアスピリン®)の需要減少の影響も受け、同製品の全世界での売上高は29.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。予測通りではあるものの、経口抗凝固薬「イグザレルト®」の全世界での売上高は、特にアジア太平洋地域と中南米地域におけるジェネリック医薬品による競合圧力や販売価格の低下によって、3.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。
医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは、6.7パーセント減少して13億79百万ユーロとなりました。主な要因は、細胞・遺伝子治療およびケモプロテオミクス技術、ならびに先進的臨床開発プロジェクトへの研究開発投資の増加でした。また、前年同期は、非中核事業の売却による大幅な増益もありました。為替からは40百万ユーロのマイナスの影響(2022年第2四半期: 41百万ユーロのプラスの影響)を受けました。
■コンシューマーヘルス部門は引き続き成長
セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、すべての地域からの貢献により、好調だった前年同期より5.4パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加して14億66百万ユーロとなりました。皮膚科領域では、「Bepanthen™」の継続的な高い需要に牽引され、10.9パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)と大幅な売上増を達成しました。解熱鎮痛薬および循環器領域でも、売上高が10.0パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。また、感冒の流行が続く中、咳止めおよび感冒薬の売上高も大幅に増加しました。一方、アレルギー薬は、気候要因によりアレルギーの影響が緩やかだったものの、売上高は微増しました。アレルギー薬および感冒薬領域全体では、5.7パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の成長を記録しました。同部門では、消化器領域を中心に一部製品の供給不足が第2四半期も続き、消化器領域の売上高は前年同期と同水準でした(為替・ポートフォリオ調整後)。下半期には供給状況の改善が見込まれています。
コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、継続的な効率性改善とコスト管理の取り組みにより、非常に好調な前年同期に続き、1.5パーセント増加して3億35百万ユーロとなりました。こうした努力は、インフレによる継続的なコスト上昇と、革新的な製品のマーケティングへの投資を補いました。同部門では、小規模かつ非戦略的ブランドの売却益も増加しました。為替からは31百万ユーロのマイナスの影響(2022年第2四半期:49百万ユーロのプラスの影響)を受けました。
■グループ業績予測を7月24日に下方修正
バイエルグループは、主にグリホサート含有製品の売上高がさらに大幅に減少することを受けて、2023年通年の業績予測を7月24日に下方修正しました。バイエルは、第1四半期の業績発表の時点で、当初発表した業績予測の下限での目標達成に言及していました。バイエルは現在、為替の影響調整後(2022年の月間平均為替レートを適用した場合)では、485億ユーロから495億ユーロの売上高を予測しています(当初の予測は510億ユーロから520億ユーロ)。これは、為替・ポートフォリオ調整後で2~3パーセントの減少に相当します(当初の予測は2~3パーセントの増加)。特別項目計上前EBITDAの現時点での予測は為替の影響調整後では、113億ユーロから118億ユーロとなる見込みです(当初の予測は125億ユーロから130億ユーロ)。1株あたりコア利益は為替の影響調整後では、6.20ユーロから6.40ユーロとなる見込みです(当初の予測は7.20ユーロから7.40ユーロ)。また、フリー・キャッシュフローは為替の影響調整後では、約0ユーロ(当初の予測は30億ユーロ)、純金融負債は為替の影響調整後では、約360億ユーロ(当初の予測は320億ユーロから330億ユーロ)となる見込みです。バイエルは現在、為替の影響調整後で約マイナス35億ユーロ(当初の予測は約マイナス10億ユーロ)の特別項目をEBITに計上することを見込んでいます。
部門別では現在、為替・ポートフォリオ調整後で、クロップサイエンス部門の売上高は前年比で約5パーセントの減少(当初の予測は約3パーセントの増加)、医療用医薬品部門の売上高は前年比で約0パーセントの増加(当初の予測は約1パーセントの増加)を見込んでいます。為替の影響調整後の特別項目計上前EBITDAマージンは、クロップサイエンス部門が約21パーセント(当初の予測は25~26パーセント)、医療用医薬品部門が約28パーセント(当初の予測は29パーセント強)となる見通しです。コンシューマーヘルス部門の予測に変更はなく、為替・ポートフォリオ調整後で約5パーセントの売上高の成長と、為替の影響調整後で約23パーセントの特別項目計上前EBITDAマージンとなる見通しです。
注記:
下記の表には、2023年第2四半期のバイエルグループおよび各部門の主要データが含まれています。また、第2四半期の完全な四半期報告書はインターネット(www.bayer.com/halfyearreport)から入手可能です。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101,000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエルのビジョンについて
世界中のバイエル社員は、「Health for all, hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というビジョンの実現に向け、革新的な製品とサービスを通じて、医療と食糧へのアクセス向上に貢献しています。私たちは、飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるよう疾病の予防、緩和、治療を支えると同時に、持続可能な農業と生態系の保護を目指しています。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。
日本のバイエルについて
ドイツ・バイエル社の日本法人として、1911年に設立。日本国内にも生産・開発拠点を持ち、医療用医薬品、コンシューマーヘルス、クロップサイエンスの3部門で事業を展開し、ライフサイエンス領域における革新的な製品とサービスを提供しています。詳細は、公式SNSをご参照ください。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。
(バイエル薬品株式会社)www.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTube
(バイエル クロップサイエンス株式会社)www.cropscience.bayer.jp, Facebook, YouTube
バイエル ホールディング株式会社
2023年8月15日、東京
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。
バイエルグループ主要データ、2023年第2四半期および上半期
(継続事業)