本資料は11月8日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。
第3四半期は見通しに基づき前年を下回る ー グループ業績予測を確認
- グループ売上高は103億42百万ユーロ(為替・ポートフォリオ調整後、前年比0.2パーセント減)
- 特別項目計上前EBITDA:16億85百万ユーロ(31.3パーセント減)
- クロップサイエンス部門、医療用医薬品部門の売上は横ばい、コンシューマーヘルス部門は微増(為替・ポートフォリオ調整後)
- 全事業部門、特にクロップサイエンス部門で減益
- 1株あたりコア利益は0.38ユーロ(66.4パーセント減)
- 当期純利益はマイナス45億69百万ユーロ、クロップサイエンス部門の金利による減損損失が影響
- フリー・キャッシュフローは16億26百万ユーロ
- CEOアンダーソンは「バイエルのミッション『Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)』実現にフォーカスするために組織の再設計を実行中」と言及
- 企業構造についての選択肢は引き続き検討
ドイツ レバクーゼン、2023年11月8日 ― バイエルグループは、2023年第3四半期に前年を下回る決算を計上後、2023年度通年のグループ業績予測を確認しました。ドイツ・バイエル社 経営委員会会長・最高経営責任者(CEO)ビル・アンダーソンは、11月8日に行われた第3四半期決算発表において「第3四半期は決して好調な四半期ではありませんが、ほぼ予想通りの結果でした。重要なメッセージは、現在の状況と残りの四半期の見通しに基づき、2023年の業績予測の更新を確認することです。そのためには第4四半期が好調でなければなりません。私たちは、まさにそれを実現することに全力を注いでおり、私たちチームはその見通しに自信を持っています」と述べました。
6月から指揮を執るアンダーソンは「今年の業績には満足していません。通期売上高が500億ユーロ近くありながら、キャッシュフローがゼロというのは到底容認できるものではありません」と述べています。アンダーソンは、バイエルのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」の実現にフォーカスした、イノベーションの推進と財務業績の強化に取り組む意向です。「私たちのミッションは、これまで常に私たちの活動の中心にあったわけではありませんでした。しかし、これからは変わります。私たちは、ミッションの実現に不可欠なものだけにフォーカスするようバイエルを再設計し、それ以外はすべて取り除きます」とし、2024年末までに、管理、調整業務に従事する複数の職務階層を撤廃する予定です。「このステップによって、チームの力がミッションにフォーカスした顧客への価値創造のための取り組みに発揮されます。組織における意思決定の95パーセントは、管理職から実務を担う社員に移行します」と述べています。大幅な人員削減を含むものの従来のコスト削減プログラムではないとアンダーソンは言います。さらに、次回の年次株主総会では、新しい経営委員会の報酬システムが提案される予定であり、それは会社の株価の長期的な発展とより密接に連動したものになるとしています。
「私たちは企業構造についての選択肢を精査しています。外部のファイナンシャル・アドバイザーを含む専門家チームが評価しています。彼らは、市場環境、構造改革が当社の価値創造にとってどのような意味を持つか、一時的なコストと逆シナジー効果、キャッシュフローとレバレッジ比率、税金支出、その他の評価基準について検討しています」とアンダーソンは説明しました。構造的な選択肢としては、3つの部門を維持する以外に、コンシューマーヘルス部門かクロップサイエンス部門を分離することも検討しています。「また、いくつかの選択肢を見送りました。例えば、同時に3つの部門を分社化することも検討しましたが、その選択肢は除外しています。3社に分割するには、2段階のプロセスが必要になります」とアンダーソンは述べました。さらなる詳細については、3月の「Capital Markets Day」で、年次報告と2024年業績予測とともに発表する予定です。現在の市場ダイナミクスと当初の想定に基づき、バイエルは来年も軟調な成長見通しと収益性への挑戦が続くと予想しています。
■安定したグループ売上高を維持(為替・ポートフォリオ調整後)
第3四半期のバイエルグループの売上高は、為替およびポートフォリオの影響の調整後(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で0.2パーセント減少して103億42百万ユーロとなりました。売上高は、為替から7億42百万ユーロのマイナスの影響(2022年度第3四半期:9億40百万ユーロのプラスの影響)を受けました。特別項目計上前EBITDAは、主にクロップサイエンス部門の減益により、31.3パーセント減少して16億85百万ユーロとなりました。また、為替から31百万ユーロのマイナスの影響(2022年度第3四半期:78百万ユーロのプラスの影響)も受けました。EBITは、マイナス35億94百万ユーロ(2022年度第3四半期:プラス11億99百万ユーロ)でした。この数字には、主にクロップサイエンス部門における減損テストに起因する特別損失純額43億3百万ユーロ(2022年第3四半期:1億53百万ユーロ)を含みます。当期純利益はマイナス45億69百万ユーロ(2022年度第3四半期:プラス5億46百万ユーロ)となり、1株当たりコア利益は66.4パーセント減少して0.38ユーロとなりました。
フリー・キャッシュフローは、6.4パーセント減少して16億26百万ユーロとなりました。2023年9月末時点の純金融負債は、主に営業活動によるキャッシュ・インフローの結果、2023年6月末から2.3パーセント減少し387億21百万ユーロとなりました。
■クロップサイエンス部門の売上高は販売量の増加により前年同期並み(為替・ポートフォリオ調整後)
農業関連事業(クロップサイエンス部門)の売上高は、前年同期並みの43億65百万ユーロ(為替・ポートフォリオ調整後ではプラス0.6パーセント)となりました。すべての地域における販売量の増加は、例外的に好調であった前年度に続きグリホサート関連製品の販売価格の低下によりほぼ相殺されました。トウモロコシ種子・形質の売上高は、すべての地域における販売価格の上昇に牽引され、21.2パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。殺菌剤の売上高は、主に中南米地域での販売量の増加により16.2パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。大豆種子および形質の売上高も同様に、主に中南米地域でのライセンス収入の増加により15.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の2桁成長を達成しました。対照的に、除草剤の売上高は17.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。
クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、主にグリホサート関連製品の価格下落により、24百万ユーロの減少(2022年度第3四半期:6億29百万ユーロの増加)となりました。また、主にインフレに起因する売上原価の上昇が利益を押し下げましたが、為替からは1億21百万ユーロのプラスの影響(2022年度第3四半期:93百万ユーロのマイナスの影響)がありました。特別項目計上前EBITDAマージンは、13.9パーセント・ポイント減少し、マイナス0.5パーセントとなりました。
■医療用医薬品部門は新製品の成功が奏功、中国事業は減少
処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、前年同期並みの45億38百万ユーロ(為替・ポートフォリオ調整後ではマイナス0.3パーセント)となりました。同部門では、新製品の大幅な伸長が貢献しました。抗悪性腫瘍剤「ニュベクオ®」の売上高はほぼ倍増(為替・ポートフォリオ調整後)し、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の治療薬「ケレンディア®」の売上高はさらに大きな伸びを示しました。加えて、画像診断領域では、特にCT用造影剤自動注入装置および「Ultravist™」製品群が引き続き大幅な利益を計上しました。眼科領域の治療薬「アイリーア®」は、特にカナダとアジア太平洋地域における販売量の増加により、売上高は5.4パーセント伸長(為替・ポートフォリオ調整後)しました。経口抗凝固薬「イグザレルト®」の売上高は堅調でした。特に中国と英国におけるジェネリック医薬品による競合圧力や価格圧力による減少は、主に欧州における販売量の増加により相殺されました。同部門では、高血圧・狭心症治療剤「アダラート®」が入札手続きの影響もあり中国全体で大幅な減収となり、全世界での売上高は44.1パーセント減少(為替・ポートフォリオ調整後)しました。加えて、中国で展開されている医療業界の反腐敗キャンペーンが間接的ではあるものの需要にマイナスの影響を与えました。
医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは、好調だった前年同期比で8.6パーセント減少して14億38百万ユーロとなりました。これは主に、課題のある製品構成と、細胞・遺伝子治療およびケモプロテオミクス技術、ならびに先進的臨床開発プロジェクトへの投資の増加によるものでした。前年同期には、非中核事業の売却による増益もありました。対照的に、マーケティング活動にかかるコストの削減はプラスに働きました。為替からは47百万ユーロのマイナスの影響(2022年度第3四半期:13百万ユーロのプラスの影響)でした。特別項目計上前EBITDAマージンは、前年同期並みの31.7パーセントでした。
■コンシューマーヘルス部門は成長(為替・ポートフォリオ調整後)
セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、非常に好調だった前年同期比で1.7パーセント増加(為替・ポートフォリオ調整後)し、14億10百万ユーロ(為替・ポートフォリオ調整後ではプラス4.4パーセント)となりました。すべての地域において特徴的な市場ダイナミクスが見られました。欧州・中東・アフリカおよび中南米地域では大幅な増収(為替・ポートフォリオ調整後)が記録された一方、北米地域では売上高が伸び悩みました。皮膚科領域は非常に好調で、8.5パーセントの成長(為替・ポートフォリオ調整後)を達成しました。皮膚科領域の売上はすべての地域で増加し、主に「Bepanthen™」と「Canesten™」が牽引しました。解熱鎮痛剤および循環器領域でも成長を記録し、売上高は4.4パーセント増加(為替・ポートフォリオ調整後)しました。アレルギー薬および感冒薬領域全体の売上高は、アレルギーシーズンが軟調に推移する中、2.6パーセント減少(為替・ポートフォリオ調整後)となり、わずかに減少しました。
コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前 EBITDA は、主として為替から57百 万ユーロのマイナスの影響(2022 年度第 3 四半期:28百万ユーロのプラスの影響)を受け、6.8パーセント減少して 3 億 13百万ユーロとなりました。同部門は、継続的な価格およびコストマネジメントの取り組みにより、販売量の減少とインフレによるコスト上昇を相殺することができました。特別項目計上前 EBITDAマージンは 0.5 パーセント・ポイント上昇し、22.2パーセントとなりました。
注記:
下記の表には、2023年第3四半期および上半期のバイエルグループおよび各部門の主要データが含まれています。また、第3四半期の完全な四半期報告書はインターネット(www.bayer.com/quarterly-statement)から入手可能です。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は507億ユーロ、従業員数は約101,000名(2022年)。特別項目計上前の研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエルのビジョンについて
世界中のバイエル社員は、「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」というミッションの実現に向け、革新的な製品とサービスを通じて、医療と食糧へのアクセス向上に貢献しています。私たちは、飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるよう疾病の予防、緩和、治療を支えると同時に、持続可能な農業と生態系の保護を目指しています。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。
日本のバイエルについて
ドイツ・バイエル社の日本法人として、1911年に設立。日本国内にも生産・開発拠点を持ち、医療用医薬品、コンシューマーヘルス、クロップサイエンスの3部門で事業を展開し、ライフサイエンス領域における革新的な製品とサービスを提供しています。詳細は、公式SNSをご参照ください。詳細はwww.bayer.jpをご参照ください。
(バイエル ホールディング株式会社)twitter.com/bayerjapan
(バイエル薬品株式会社)www.pharma.bayer.jp, Facebook,YouTube
(バイエル クロップサイエンス株式会社)www.cropscience.bayer.jp, Facebook, YouTube
バイエル ホールディング株式会社
2023年11月14日、東京
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。