本資料は5月14日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はmedia.bayer.comをご参照ください。

2024年度

第1四半期は予測通りの業績

  • グループ売上高は137億65百万ユーロ(為替・ポートフォリオ調整後:0.6パーセント減)
  • 為替による逆風5億25百万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは1.3パーセント減の44億12百万ユーロ
  • クロップサイエンス部門とコンシューマーヘルス部門は減収減益
  • 医療用医薬品部門は増収増益
  • 1株あたりコア利益は2.82ユーロ(4.4パーセント減)/当期純利益は20億ユーロ
  • フリー・キャッシュフローは26億26百万ユーロ減
  • 為替の影響調整後の見通しが確定

レバークーゼン、2024年5月14日 ― バイエルグループは第1四半期において、予測通りの業績を達成しました。ドイツ・バイエル社最高経営責任者(CEO)ビル・アンダーソンは、5月14日に行った第1四半期決算発表において「第1四半期の売上高は前年同期比でわずかに減少しました。医療用医薬品部門は成長と収益性が向上し、クロップサイエンス部門は厳しい市場環境の中で業績を伸ばしました。コンシューマーヘルス部門は低調なスタートとなりましたが、通年では再び成長する見込みです」と述べました。アンダーソンはまた、バイエルの為替調整後の2024年見通しを再確認するとともに、戦略的優先事項について「3月に、バイエルが注力している4点について共有しました。それから2か月が経ち、それぞれで前進が見られました」と述べ、成長とイノベーション、米国における訴訟、キャッシュとデレバレッジング、新しい経営モデルであるダイナミック・シェアード・オーナーシップ(DSO)について言及しました。アンダーソンは、DSOの導入について 「私たちは役割を整理し、より大きな成果のためにチームを設計し、組織の階層を減らします。雇用数やコスト削減目標よりもはるかに大きく重要なことがあります。それは、イノベーションを起こし、ビジネスを成長させ、顧客の生活を向上させることです」と述べました。

 

2024年度第1四半期のグループ売上高は137億65百万ユーロとなり、為替およびポートフォリオの影響の調整後(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で前年同期をわずかに下回りました(為替・ポートフォリオ調整後0.6パーセント減)。為替差損は5億25百万ユーロでした(2023 年度第1四半期は1億2百万ユーロ増)。特別項目計上前EBITDAは1.3パーセント減の44億12百万ユーロとなりました。特別費用の純額2億7百万ユーロ(2023年度第1四半期:4億31百万ユーロ)を差し引いたEBITは4.0パ―セント増の30億92百万ユーロとなりました。特別費用は主に、進行中の組織の適正化に関連する費用で、全ての部門・部署に影響を及ぼしました。当期純利益は8.2パーセント減の20億ユーロとなり、1株あたりコア利益は4.4パーセント減の2.82ユーロとなりました。

 

フリー・キャッシュフローは、主に営業活動によるキャッシュフローの改善により、26億26百万ユーロ減(2023年度第1四半期:41億2百万ユーロ減)となりました。2024年3月31日時点での純金融負債は374億88百万ユーロとなり、2023年度末から8.7パーセント増加しました。これは主に、季節的な要因による営業活動からの現金流出に起因します。

■クロップサイエンス部門:厳しい市場環境の中、売上推移で同業他社を上回る

 

農業関連事業(クロップサイエンス部門)は、厳しい市場環境の中、同業他社を上回る業績を達成しました。売上高は3.0パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)の79億7百万ユーロとなりましたが、これは主にヨーロッパ・中東・アフリカ地域における非グリホサート除草剤および殺菌剤の販売数量の減少によるものです。グリホサート含有製品に関しては、全地域で市場主導による大幅な価格下落となりましたが、販売数量の力強い回復によって十分に相殺されるには至りませんでした。主力事業の除草剤と殺菌剤の売上高はそれぞれ13.3パーセントと8.5パーセント減少しました(為替・ポートフォリオ調整後)。大豆種子および形質の売上高は前年同期並みでした(為替・ポートフォリオ調整後)。トウモロコシ種子・形質の売上高は、全地域での価格上昇により2.0パーセント増加(為替・ポートフォリオ調整後)し、殺虫剤の売上高はヨーロッパ・中東・アフリカ地域および北米地域での販売数量の増加により2.3パーセント増加しました(為替・ポートフォリオ調整後)。

 

クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、主にグリホサート含有製品の価格下落により、12.8パーセント減の28億49百万ユーロとなりました。また、92百万ユーロの為替差損も発生しました(2023年度第1四半期:54百万ユーロの為替差益)。

■医療用医薬品部門:主に近年発売した製品により増収

 

処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、前年同期比3.9パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の43億58百万ユーロとなりました。医療用医薬品部門の近年発売した製品である抗悪性腫瘍剤「ニュベクオ®」と2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の治療薬「ケレンディア®」は、いずれも売上が約3分の2増加しました(為替・ポートフォリオ調整後)。また、眼科領域の治療薬「アイリーア®」の売上高は、販売数量と価格の上昇により3.4パーセント増加しました(為替・ポートフォリオ調整後)。画像診断領域も増収となり、CT用造影剤自動注入装置と「UltravistTM」製品群はいずれも約10パーセントの成長を記録しました(為替・ポートフォリオ調整後)。経口抗凝固薬「イグザレルト®」の売上高は、ジェネリック医薬品による競争圧力を受けたものの、予想通り1.7パーセント増となりました(為替・ポートフォリオ調整後)。一方、高血圧・狭心症治療薬「アダラート®」の売上高が中国における入札手続きの影響により、世界全体で23.0パーセント減少(為替・ポートフォリオ調整後)したことが医療用医薬品部門のマイナス要因となりました。

 

医療用医薬品部門の特別項目計上前 EBITDA は8.0パーセント増の11億94百万ユーロとなりました。細胞・遺伝子治療およびケモプロテオミクス技術に対する研究開発費の増加は、後期臨床開発プロジェクト費の減少により相殺されました。医療用医薬品部門はまた、販売活動に関する費用の削減にも成功しました。為替差損は1億27百万ユーロでした(2023年度第1四半期:為替差損6百万ユーロ)。

■コンシューマーヘルス部門:需要が変化する中、プライシング戦略などにより利益バランスを概ね確保

 

セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は1.8パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)の14億32百万ユーロとなりました。コンシューマーヘルス部門では、供給状況の改善により在庫が補充された前四半期の好調な業績に続き、顧客の需要が減少しました。さらに、米国の小売業者が業界全体で在庫水準を最適化しました。しかし、プライシング戦略などにより、販売量の減少はほぼ相殺されました。アレルギー薬および感冒薬領域の売上は、感冒の季節の影響の少なさと暖冬により16.8パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)となり、栄養補助食品領域の売上は前年同期並みとなりました(為替・ポートフォリオ調整後)。一方、胃腸薬領域では、供給状況の改善により、売上高は9.0パーセント増加しました(為替・ポートフォリオ調整後)。コンシューマーヘルス部門全体で売上高が増加したヨーロッパでの成長は、主に「Iberogast™」と「Rennie™」が牽引しました。皮膚科領域も売上高が7.3パーセント増加し(為替・ポートフォリオ調整後)、主に「Bepanthen™ Derma」と中国の地域ブランドに対する大きな需要に支えられました。

 

コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前 EBITDAは、主に 46百万ユーロの為替によるマイナス影響(2023年度第1四半期:4百万ユーロの為替によるマイナス影響)により、12.7パーセント減の 3 億31百万ユーロとなりました。コンシューマーヘルス部門は、継続的なコストおよび価格管理への取り組みにより、売上の減少、インフレによるコスト上昇、革新的な製品のマーケティングへの投資の増加をほぼ相殺することができました。また、非戦略的なマイナーブランドの売却により、高い収益も得ました。

■為替の影響調整後の見通しを確定

 

バイエルは、2024年通期の為替の影響調整後の予測(2023年の月平均為替レートに基づく)を確定しました。しかしながら、2024年3月31日時点のクロージングレートに基づき予想される為替変動により、マイナス影響が増加します。2023年12月31日時点のレートではなく、そのクロージングレートを適用した場合、例えば特別項目計上前EBITDAの予測は、104億-110億ユーロの間から102億-108億ユーロの間に引き下げられます。

注記:

下記の表には、2024年第1四半期のバイエルグループおよび各部門の主要データが含まれています。また、第1四半期の完全な四半期報告書はインターネット(www.bayer.com/quarterly-statement)から入手可能です。

バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名(2023年)。特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

 

バイエル ホールディング株式会社
2024年5月20日、東京

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。

バイエルグループ主要データ、2024年第1四半期