本資料は8月6日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はmedia.bayer.comをご参照ください。
バイエル:厳しい農業市場環境における緩やかな業績 - グループ業績予測を確認
- グループ売上高は111億44百万ユーロ(為替・ポートフォリオ調整後:3.1パーセント増)
- 特別項目計上前EBITDAは為替による逆風の影響を受け21億11百万ユーロに減少(16.5パーセント減)
- クロップサイエンス部門の売上高は微増収・大幅減益
- 医療用医薬品部門およびコンシューマーヘルス部門は増収(為替・ポートフォリオ調整後)・減益
- 1株あたりコア利益は0.94ユーロ(23.0パーセント減)/当期純利益は34百万ユーロの損失
- フリー・キャッシュフローは12億73百万ユーロ
- 戦略的優先事項の順調な進捗 - 特に医療用医薬品部門におけるイノベーションの推進
レバークーゼン、2024年8月6日 ― バイエルグループは、2024年第2四半期に増収減益となりました。各部門はそれぞれの領域で競争力のある業績を達成し、バイエルグループは2024年の業績予測を確認することができました。ドイツ・バイエル社最高経営責任者(CEO)ビル・アンダーソンは、8月6日に行った決算発表において「クロップサイエンス部門は、厳しい農業市場環境における逆風をほぼ相殺することができました」と述べました。アンダーソンはまた、医療用医薬品部門において近年発売した製品である抗悪性腫瘍剤「ニュベクオ®」と2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の治療薬「ケレンディア®」が目覚ましい勢いを維持し、コンシューマーヘルス部門も成長軌道に回復したことについて言及したうえで「キャピタル・マーケット・デイで私たちが表明した中心的なコミットメントの一つは、私たちの組織が一貫して業績を上げると同時に、私たちの足かせとなっている長期的な障害に対処していくということです。3月5日の決算発表から今日までの154日間は、その両方が可能であることを示す良い証拠となりました」と述べ、業務上の進歩にとどまらず、戦略的優先事項についても前進を遂げたことを共有しました。
続けてアンダーソンは、4つの戦略的重点項目である成長とイノベーション、米国における訴訟、キャッシュとデレバレッジング、新しい経営モデルであるダイナミック・シェアード・オーナーシップ(DSO)導入の取り組み状況について説明し、順調に進んでいることを明らかにしました。また、医療用医薬品部門におけるイノベーションの推進が前進していることを強調し「この90日間で、私たちは中期パイプラインを拡充し、適応を拡大し、後期ステージのアセットを前進させるための大きな一歩を踏み出しました」と述べました。直近では「ニュベクオ®」と「ケレンディア®」の適応拡大に向けた道を開く可能性のある良好な第Ⅲ相臨床試験の結果を発表しました。さらに、早ければ来年にも2つの新薬を発売する予定であることにも言及しました。更年期障害に伴う血管運動神経系の症状に悩む女性のための非ホルモン治療薬elinzanetantと、バイエルが欧州で独占販売権を有する循環器疾患治療薬acoramidisです。アンダーソンは「バイエルの医療用医薬品パイプラインは、価値創造に向けた最大の推進力の一つです」と述べました。
2024年第2四半期のバイエルグループの売上高は、3.1パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加し、111億44百万ユーロとなりました。為替によるマイナス影響は、 2億40百万ユーロでした(2023年第2四半期:5億53百万ユーロ)。特別項目計上前 EBITDA は、16.5パーセント減少して21億 11百万ユーロとなりました。この数字には、1億29百万ユーロの為替差損が含まれます(2023年第2四半期:1億20百万ユーロ)。減益は、主に課題のある製品構成によるものです。また、グループ全体の短期インセンティブ・プログラムに対する引当金が前年同期比で減少しました。EBITは、4億90百万ユーロの特別費用(2023年第2四半期:24億90百万ユーロ)の計上後、5億25百万ユーロ(2023年第2四半期:9 億56百万ユーロの損失)に改善しました。特別費用は、主に進行中の組織の適正化に関連する費用で、すべての部門・部署に影響を及ぼしました。当期純利益は、34百万ユーロの損失(2023年第2四半期:18億87百万ユーロの損失)となりました。
フリー・キャッシュフローは、主に営業活動によるキャッシュフローの増加により12億73百万ユーロ(2023年第2四半期:4億73百万ユーロ減)となりました。2024年6月30日時点での純金融負債は、367億60百万ユーロで、主に営業活動によるキャッシュ・インフローの結果、3月末比で1.9パーセント減少しました。
■クロップサイエンス部門: 業績は微増
農業関連事業(クロップサイエンス部門)の売上高は、1.1パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の49億81百万ユーロとなりました。これは、主にグリホサート含有製品の増収によるもので、特に北米地域での業績が好調でした。非グリホサート除草剤の売上高が減少したものの、除草剤事業全体としては8.7パーセントの成長(為替・ポートフォリオ調整後)を達成しました。大豆種子および形質の売上高は、主に北米地域における販売量の著しい増加により、12.4パーセントの大幅増(為替・ポートフォリオ調整後)となりました。殺虫剤の売上高も6.9パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)となりました。一方、殺菌剤の売上高は、軟調な市場環境のなか、北米・中南米地域での販売量と価格の低下により12.4パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)となりました。トウモロコシ種子・形質の売上高も減少し、2.8パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)となりましたが、これは、主に作付面積の減少に伴う北米・中南米地域での販売量の減少によるものです。
クロップサイエンス部門の特別項目計上前 EBITDA は、製品構成の課題もあり、27.7パーセント減の5億24百万ユーロとなりました。一方、為替差益は、49百万ユーロとなりました(2023年第2四半期:96 百万ユーロの為替差損)。
■医療用医薬品部門: 近年発売した製品により業績は好調
処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、4.5パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の46億5百万ユーロとなりました。同部門の近年発売した製品は、大幅な伸びを達成し「ニュベクオ®」の成長率は90.0パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)、「ケレンディア®」の成長率は72.9パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)となりました。同部門はまた、眼科領域の治療薬「アイリーア®」の売上高が7.7パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)と引き続き伸長したほか、CT用造影剤自動注入装置および「Ultravist ™」の販売量と価格の上昇を主因として画像診断領域も伸長しました。子宮内黄体ホルモン放出システム「ミレーナ®」の売上高は、特に米国とブラジルでの販売量と価格の上昇により、11.1パーセント増加しました(為替・ポートフォリオ調整後)。抗血小板剤「バイアスピリン®」の売上高は、前年同期が低調であったことから主に中国での売上が増加し、29.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の増収となりました。一方、経口抗凝固薬「イグザレルト®」の売上高は、特許切れにより10.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少しました。
医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは、4.1パーセント減の13億22百万ユーロとなりました。売上高の増加は、課題のある製品構成や1億50百万ユーロ(2023年第2四半期:40百万ユーロ)という高水準の為替のマイナス効果により相殺されました。一方、より成熟した製品の販売費が減少したことが利益に貢献しました。また、初期段階の研究、細胞・遺伝子治療およびケモプロテオミクス技術への投資の増加は、臨床開発プロジェクトにかかる費用の大幅な減少により相殺されました。
■コンシューマーヘルス部門: 成長軌道に回復
セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、5.3パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の14億58百万ユーロとなりました。特に胃腸薬領域の成長が著しく、供給状況の改善により売上高は14.5パーセント増加しました(為替・ポートフォリオ調整後)。また、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域での「Iberogast ™」の売上増加や米国での同製品の発売からも恩恵を受けました。皮膚科領域と栄養補助食品領域も、それぞれ13.8パーセント、11.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)と2桁の成長を記録しました。一方、アレルギー薬および感冒薬領域の売上高は、季節的な影響が少なかったことにより、17.6パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)となりました。
コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、6.3パーセント減の3億14百万ユーロとなりました。これは、主に米国での「Iberogast ™」の上市など強力なブランドへの投資の増加とコスト上昇によるものです。さらに前年同期では、非戦略的なマイナーブランドの売却益がありました。これらの影響は、同部門の継続的なコストおよび価格管理の取り組みにより一部相殺されました。為替によるマイナス影響は、 17百万ユーロでした(2023年第 2四半期:31百万ユーロ)。
■グループ業績予測を確認
バイエルは、2024年通年のグループ業績予測を確認しました。アンダーソンは「私たちは、引き続き達成できる見込みを持っています」と述べました。クロップサイエンス部門については、為替・ポートフォリオ調整後の売上高の成長率および特別項目計上前EBITDAマージンが予想範囲の下限(それぞれマイナス1からプラス3パーセント、20から22パーセント)になると予測しています。医療用医薬品部門については、為替・ポートフォリオ調整後の売上高の成長率の見通しを0から3パーセント(当初の予測はマイナス4から0パーセント)に上方修正しました。
■サステナビリティ: 再生可能エネルギーへの取り組みが大きく前進
バイエルは、サステナビリティへの取り組みを強化するため、ネットゼロの達成を目指す「Climate Transition and Transformation Plan」を発表しました。同計画は、2050年までに温室効果ガス排出量を少なくとも90パーセント削減する(“Transition”)こと、そして、会社の枠を超えて、バイエルが事業を展開する領域においてポジティブな影響を生み出す(“Transformation”)ことを企業として約束するものです。温室効果ガス排出ゼロに向けた移行には、再生可能エネルギーへの転換などが含まれます。第2四半期、バイエルは再生可能エネルギーによる電力供給契約を2件締結し、2030年までの気候変動に左右されない企業への道を大きく前進させました。これらの契約により、100パーセント再生可能エネルギーによる300ギガワット時の電力供給が確保されます。これらの契約に基づき供給される電力は、約75,000世帯の年間電力消費量に相当します。
注記:
下記の表には、2024年第2四半期および上半期のバイエルグループおよび各部門の主要データが含まれています。また、第2四半期の完全な四半期報告書はインターネット(www.bayer.com/quarterly-statement)から入手可能です。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2023年のグループ全体の売上高は476億ユーロ、従業員数は約100,000名、特別項目計上前の研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル ホールディング株式会社
2024年8月13日、東京
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。