本資料は5月12日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。

 

2021年第1四半期:

バイエル、成功裏に2021年度をスタート

良好な業績 ― 売上高に9億38百万ユーロ、利益に3億37百万ユーロの為替のマイナス影響 / グループ売上高は前年同期比2.8パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の123億28百万ユーロ / 特別項目計上前EBITDAは為替の影響により前年同期比6.2パーセント減の41億18百万ユーロ / クロップサイエンス部門は市場環境が改善する中で力強い売上増(為替・ポートフォリオ調整後) / 医療用医薬品部門の売上高(為替・ポートフォリオ調整後)は前年と同水準 / コンシューマーヘルス部門は競合他社を上回る良好な業績を継続 / 当期純利益は前年同期比40.3パーセント増の20億89百万ユーロ / 1株あたりコア利益は前年同期比3.0パーセント減の2.59ユーロ / 2021年業績予測を確認

ドイツ レバクーゼン、2021年5月12日 ―バイエルグループは成功裏に2021年度をスタートしました。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、12日に行われた2021年第1四半期決算発表において「私たちは全体的に良好な業績を上げた一方で、予想通り為替のマイナス影響を受けました。クロップサイエンス部門は市場環境が改善する中で力強い売上増を達成しました。医療用医薬品部門の売上高は前年と変わらず、コンシューマーヘルス部門では競合他社を上回る業績を上げました」と述べました。当社は2021年2月に公表した通年の業績予測を確認しました。

 

 第1四半期のグループ売上高は、為替およびポートフォリオの影響の調整後(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で2.8パーセント増加して、123億28百万ユーロとなりました。特別項目計上前EBITDAは6.2パーセント減少して41億18百万ユーロとなりました。為替のマイナス影響は、売上高に9億38百万ユーロ、特別項目計上前EBITDAに3億37百万ユーロの影響を与えました。EBITは23.4パーセント増加して30億83百万ユーロとなりました。この数値には、進行中の事業再編プログラムに関する費用を相殺するに十分以上の血液凝固因子製剤「ジビイ®」に関する特許紛争の収入による特別利益純額15百万ユーロ(2020年第1四半期:特別損失純額6億39百万ユーロ)が含まれています。当期純利益は40.3パーセント増加して20億89百万ユーロとなりました。継続事業からの1株あたりコア利益は3.0パーセント減少して2.59ユーロとなりました。

 

 フリー・キャッシュフローは、主に米国での訴訟に関する和解金の支払いにより、マイナス32億26百万ユーロ(2020年第1四半期:マイナス7億93百万ユーロ)となりました。このことが一因となり、2021年3月31日時点の純金融負債は2020年末から13.0パーセント増加して、339億33百万ユーロとなりました。

 

クロップサイエンス部門は特に中南米地域およびアジア・太平洋地域で成長

 バイエルは農業関連事業(クロップサイエンス部門)において、中南米地域およびアジア・太平洋地域での特に力強い成長により、売上高を6.4パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の66億46百万ユーロまで増加させました。除草剤は、主にすべての地域において販売量が増加したことと、販売価格の上昇(特に「ラウンドアップ®」)により、13.3パーセントと大きく売上を伸ばしました。殺菌剤(22.0パーセント増)および野菜種子(13.9パーセント増)でも売上高は大きく改善しました。殺菌剤は中南米地域において、特に「Fox XproTM」製品の販売量の増加と販売価格の上昇から恩恵を受けました。殺菌剤は、前年に新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響を受けた後、市況の正常化に伴って、アジア・太平洋地域でも売上が拡大しました。野菜種子の売上高はすべての地域で増加しました。大豆種子および形質では、北米地域における販売量の増加により、売上高が3.4パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。トウモロコシ種子および形質の売上高は前年同四半期と同水準(為替・ポートフォリオ調整後:0.4パーセント減)を維持しました。トウモロコシ種子および形質は、価格の上昇が一因でヨーロッパ・中東・アフリカ地域および中南米地域において好調に推移した一方で、北米地域ではライセンスの期限切れが一因で減少しました。

 

 クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは6.2パーセント減の24億48百万ユーロに減少し、マージンは36.8パーセントとなりました。販売価格の上昇および販売量の増加からのプラスの影響と、進行中の効率性改善プログラムからの貢献は、為替のマイナス影響2億52百万ユーロを完全には相殺しませんでした。

 

 グリホサートベースの「ラウンドアップ®」製品が関与する米国での訴訟に関しては、全体で約96,000件に上る現在の請求は、和解合意の対象となっているか、または和解プログラムの適格基準を満たしませんでした。当社は、現在残っている訴訟において合意に達するため、原告代理人との交渉を続けています。将来発生し得る訴訟への対処に関する新たな提案は、原告のクラス代理人との間で合意、支持され、予備承認を受けるためにカリフォルニア州で担当裁判官に提出されています。修正された提案について、両当事者は、裁判所が指摘した論点に対処するために真摯に取り組みました。

 

医療用医薬品部門:「イグザレルト®」および「アイリーア®」は大きく前進

 処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は43億65百万ユーロとなり、為替・ポートフォリオ調整後ベースで前年同期と同水準(為替・ポートフォリオ調整後:0.4パーセント減)となりました。中国では、2020年に実施された入札手続により「グルコバイ®」および「アベロックス®」の売上高が減少しましたが、その他の製品、特に経口抗凝固剤「イグザレルト®」の成長により相殺されました。同部門は米国において、特に抗悪性腫瘍剤「ニュベクオ®」の発売が業績に寄与しました。 「イグザレルト®」の売上高は6.5パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。これは主に中国とロシアにおける販売量の増加によるものでしたが、ドイツでの売上高は大幅に減少しました。眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®」の売上高は、15.8パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の大幅な増加となり、これは日本での好調な推移と、ヨーロッパ、中国およびカナダにおける販売量の著しい増加によるものでした。経口避妊剤「YAZTM」「YasminTM」「YasminelleTM」の売上高は、特に中国、日本および中東における増加により、12.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。一方、血液凝固因子製剤「コージネイト®」「コバールトリイ®」「ジビイ®」(為替・ポートフォリオ調整後:17.9パーセント減)および抗悪性腫瘍剤「ネクサバール®」(為替・ポートフォリオ調整後:21.7パーセント減)の売上高は、競合他社の影響を受けて明らかに減少しました。 医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは6.0パーセント減の14億98百万ユーロに減少し、マージンは34.3パーセントとなりました。価格の低下と為替のマイナス影響57百万ユーロにより利益は押し下げられましたが、販売量の増加とコスト削減により、ある程度は相殺されました。また、米国における優先審査権バウチャーの売却収益を比例配分認識したことが一因で、研究開発費についてもプラスの影響がありました。

 

コンシューマーヘルス部門:非常に好調だった前年同四半期に続き、競合他社を上回る業績

 セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、2桁の伸びを見せて非常に好調だった前年同四半期に続き、縮小する市場の中で4.4パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)の12億52百万ユーロを記録しました。この業績は競合他社を引き続き上回っています。皮膚科領域および栄養補助食品領域では成長の勢いを維持し、それぞれ売上高は6.6パーセントおよび4.7パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加しました。一方、新型コロナウイルス感染症対策としての厳しい安全・衛生対策とロックダウンの継続は、特に咳および感冒薬の売上高にマイナスの影響を及ぼし、アレルギー薬および感冒薬領域における30.1パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の減少につながりました。アジア・太平洋地域および中南米地域の売上高は引き続き増加しましたが、北米地域およびヨーロッパ・中東・アフリカ地域の売上高は、咳・感冒の季節が例外的に穏やかであったことから大きな影響を受けました。

 

 コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは3.0パーセント減の2億92百万ユーロに減少しました。利益は26百万ユーロに上る為替のマイナス影響により押し下げられました。これと同時に、特別項目計上前EBITDAマージンは、現在の不安定な市場環境においてマーケティング費用が減少したことと、非中核の3ブランドの売却に伴う一時的な利益が主な要因で、1.8パーセント・ポイントから23.3パーセントまで改善しました。

 

サステナビリティへの取り組みをさらに強化

 第1四半期中、バイエルは、サステナビリティの分野でも順調に進展しました。すでに2月に発表した通り、当社は、より一層包摂的で多様な社員と企業文化を達成するための取り組みを強化しており、2030年に全管理職レベルでのジェンダー平等を目標としています。また2月には、コンシューマーヘルス部門の例として、十分な支援を受けていない地域の人々に対するビタミンおよびミネラルの供給格差を補うため、Nutrient Gap Initiativeを開始しました。このプログラムは、直接的な行動や主要なNGOとの連携を通して、2030年までに、これらの地域において年間5000万人の人々を支援することを目指しています。Nutrient Gap Initiativeは、2030年までに、十分な支援を受けていないコミュニティにおける1億人の人々に日常的なヘルスケアへのアクセスを提供するというコンシューマーヘルス部門のサステナビリティ目標の達成に貢献します。

 

注記: 下記の表には、2021年第1四半期のバイエルグループおよび各部門の主要データが含まれています。また、第1四半期の完全な四半期報告書はインターネット(www.bayer.com/quarterly-statement)から入手可能です。

 

バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じ重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し事業を通じて良い影響を創出することに尽力します。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は414億ユーロ、従業員数は100,000名(2020年)。特別項目計上前の研究開発費は49億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。


 

将来予想に関する記述 Forward-Looking Statements

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 Forward-Looking Statements が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。