本資料は2月27日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。
バイエル、戦略上および経営上で成功
- グループ売上高は前年比3.5パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の435億45百万ユーロ
- 特別項目計上前EBITDAは前年比28.3パーセント増の115億3百万ユーロ
- 1株あたりコア利益は前年比14.3パーセント増の6.40ユーロ
- 当期純利益は前年比141.4パーセント増の40億91百万ユーロ - カレンタ社持分の売却益は16億37百万ユーロ
- フリー・キャッシュフローは予測を上回る42億14百万ユーロ
- 1株あたり2.80ユーロの配当提案
- クロップサイエンス部門は厳しい環境の中で堅実な業績を示し、買収した事業により利益は大幅に増加
- 医療用医薬品部門は好調な事業の進展を見せる
- 事業売却にもかかわらず、コンシューマーヘルス部門の売上高は成長、利益は前年と同レベル
- 進行中のポートフォリオ、組織構造および効率性に関わる対策を成功裏に実施
- グリホサートの肯定的側面が確認される - 控訴および調停手続が前進
- 2020年の業績予測:売上高、利益およびフリー・キャッシュフローの増加
- 野心的な持続可能性目標を設定
ドイツ レバクーゼン、2020年2月27日― バイエルは昨年、戦略上および経営上で成功を収めた。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、レバクーゼンで木曜日に行われた決算発表において「私たちは2019年、業績を達成し、すべての分野において約束を実現し、守りました」と述べた。また、「私たちは、特に農業関連部門において厳しい市場環境に直面したにもかかわらず、財務目標を達成しました」と述べた。バイエルは本年度についても楽観的であり、当社は売上高、利益およびフリー・キャッシュフローの増加を目標としている。
バウマンは「私たちは、2018年末期に発表したポートフォリオ、効率性および組織構造に関わる対策に関しても、公約を実現しました」と続けた。2019年、バイエルは、動物用薬品事業をエランコ社(以下「エランコ」)に76億米ドルで売却することに合意し、サイトサービスプロバイダーであるカレンタ社の株式の売却を完了し、また「Dr. Scholl's™」ブランドおよび「Coppertone™」ブランドも売却した。買収した農業関連事業からのシナジーを含めると、効率性および組織構造に関わる対策は昨年すでに、2022年までの目標とされた年間貢献額26億ユーロの約30パーセントを生み出した。
当社は2019年、持続可能性への取り組みも大きく前進させ、意欲的な目標を設定した。バウマンは「私たちは、企業としての責任と社会的期待の高まりを反映して、持続可能性を私たちの戦略における不可欠な要素と位置づけました。私たちは、財務目標に対するのと同等の熱意で、持続可能性目標を追求しています。これに合わせて、私たちは、持続可能性目標を経営委員会の報酬システムの中に組み入れるとする提案を4月の年次株主総会に提出する予定です」と述べた。
グループ売上高および利益の増加
グループの売上高は、昨年、為替およびポートフォリオの調整後ベース(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で3.5パーセント増の435億45百万ユーロに増加した。報告ベースでは、売上高は18.5パーセント増加した。特別項目計上前EBITDAは28.3パーセント増の115億3百万ユーロに増加した。この数値は43百万ユーロの為替のマイナス効果により押し下げられている。
EBITは、特別損失純額28億18百万ユーロの計上後で21.3パーセント増の41億89百万ユーロに増加した。特別損失は主として進行中の事業再編プログラム、米国モンサント社(以下「モンサント」)の買収と統合、クロップサイエンス部門のdicamba生産施設とコンシューマーヘルス部門の「Dr. Scholl's™」売却に関連する減損、および裁判費用に関するものであった。当期純利益は141.4パーセント増加して40億91百万ユーロとなり、バイエルのカレンタグループ株式持分売却益(16億37百万ユーロ)を含んでいた。継続事業からの1株あたりコア利益は14.3パーセント増加して6.40ユーロとなった。
ドイツ・バイエル社経営委員会と監査役会は、2020年4月28日の年次株主総会に対し、2019年度に関して配当受給権のある株式1株あたり2.80ユーロ(2018年度:2.80ユーロ)の配当金支払を提案する予定である。配当受給権のある株式は982.42百万株(2018年:932.55百万株)であり、配当金支払総額は27億51百万ユーロ(2018年度:26億11百万ユーロ)となる。
2019年、フリー・キャッシュフローは9.4パーセント減の42億14百万ユーロに減少した。CFOのヴォルフガング・ニックルは「しかし、当初予測の30~40億ユーロをいまだに大きく上回っており、したがって私たちは非常に満足しています」と述べた。バイエルは純金融負債を前年比4.5パーセント減の340億68百万ユーロまで減少させた。
クロップサイエンス部門は買収した事業により利益が大幅に増加
農業関連事業(クロップサイエンス部門)において、バイエルは、売上高を1.4パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の198億32百万ユーロに増加させた。この推移は主に中南米地域における成長によるものであった。一方、北米地域における事業は、年度前半の米国中西部における洪水や豪雨にもかかわらず、前年と同レベルであった。
モンサントの買収およびそれに関連する事業売却が2018年1月1日付ですでに行われていたと仮定して示した試算ベースでは、クロップサイエンス部門は為替の影響調整後で1.4パーセントの売上減となった。試算ベースの売上高は、例えば殺虫剤、殺菌剤、ならびにトウモロコシ種子および形質において増加した。減少は主として大豆種子および形質において計上されたが、特に北米地域では作付面積の減少、激しい競争、天候状況、および貿易摩擦に起因する不確実性の継続により、業績が押し下げられた。
クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、80.9パーセント増の47億96百万ユーロに増加した。この増加は主として新たに買収した事業からの利益貢献と、その統合が進むにつれて実現されたシナジーによるものである。
2020年2月6日現在、農薬製品のグリホサートに関連して、米国において、約48,600名の原告から訴訟が提起されている。バイエルは、裁判にかけられた最初の3件の評決は、裁判における証拠および法律に裏付けられたものではないと確信しており、したがって控訴を積極的に追求している。バウマンは「米国政府はつい最近、私たちの論拠の重要な点に対して、明確な支持を表明しました」と述べたが、これは2019年12月の、本趣旨の公式な裁判所提出書類に言及したものである。バウマンはまた「私たちは、必要であればすべての裁判を通じてこの3件の控訴を継続していく予定です」と述べた。これと同時に、バイエルは、この一連の訴訟を合理的な結論に導く方法で構築された、合理的な条件に基づく和解に達することができるか探るために、裁判所の命令による非公開の調停手続に、引き続き建設的に携わっている。
医療用医薬品部門は力強い増益
処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、5.6パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の179億62百万ユーロに増加した。中国における成長は堅調を維持した。一方で経口抗凝固剤「イグザレルト®」および眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®」は当期も大幅な売上増を実現し、ともに12.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。「イグザレルト®」は主として中国、ロシアおよびヨーロッパにおける販売量の拡大による恩恵を受け、「アイリーア®」はヨーロッパ・中東・アフリカ地域(特に英国とドイツ)および日本において特に力強い推移を見せた。ラジオロジー事業も好調な業績を上げた。
バイエルは、抗悪性腫瘍剤「スチバーガ®」(為替・ポートフォリオ調整後:27.3パーセント増)および肺高血圧症治療剤「アデムパス®」(為替・ポートフォリオ調整後:14.4パーセント増)についても大幅な売上増を計上した。「アデムパス®」の売上高が米国における好調な推移により牽引された一方で、「スチバーガ®」は主として中国における販売量の拡大による恩恵を受けた。多発性硬化症の再発予防・進行抑制剤「ベタフェロン®」「Betaseron™」の売上高は、主に米国における激しい競争の結果、引き続き大幅に低下した(為替・ポートフォリオ調整後:18.0パーセント減)。
医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは、6.7パーセント増の59億75百万ユーロに増加した。利益の成長は、販売量の増加と売上原価の減少により牽引された。これに対し、製品発売および新規適応に関する販売費用の増加により利益が押し下げられた。加えて、前年の利益には、開発提携からの利益に関連する約1億90百万ユーロの一時的なプラス効果が含まれていた。
コンシューマーヘルス部門はすべての領域で売上高の成長を示す
バイエルは、セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高を、2.6パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の54億62百万ユーロに増加させた。為替およびポートフォリオの影響の調整後では、同部門はすべての領域および4地域のうち3つで売上高を成長させた。売上高はアレルギー薬および風邪薬領域(為替・ポートフォリオ調整後:5.0パーセント増)と皮膚疾患薬(為替・ポートフォリオ調整後:3.8パーセント増)において最も力強く成長した。
コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、前年のレベルと同等(0.5パーセント減)の10億90百万ユーロとなった。利益に対するプラスの貢献は、主として事業の成長と、販売費の大幅な減少につながった進行中の効率性プログラムによりもたらされた。売却された皮膚科処方薬事業からの貢献がなかったことが主となり、利益は押し下げられた。
業績予測:バイエルは売上高、利益およびフリー・キャッシュフローの増加を目指す
2020年に関して、バイエルは、継続事業からの為替の調整後売上高が約440億から450億ユーロになると予測している。これは、為替およびポートフォリオ調整後ベースで約3から4パーセントの増加に相当する。バイエルは、グループの特別項目計上前EBITDAマージンを為替の影響調整後で約28パーセント引き上げることを目指している。特別項目計上前EBITDAは、為替の調整後ベースで123億から126億ユーロまで増加するものと見られている。1株あたりコア利益は為替の調整後ベースで7.00から7.20ユーロまで増加する見込みである。一方、フリー・キャッシュフローは為替の影響調整後で約50億ユーロとなる計画である。この業績予測には、新型コロナウイルスの感染拡大による潜在的影響の試算はまだ含まれていない。加えて、この業績予想は、動物用薬品事業が2020年7月1日付で売却先に譲渡され、またその買収価額が合意された通り、現金およびエランコの株式で同日に受領されるとの仮定に基づいている。
昨年の事業売却後、バイエルは、管理部門の費用を各部門に割り当てる方法を変更したが、これは特別項目計上前EBITDAマージンに影響を与えている。クロップサイエンス部門では、2019年のマージンは報告値では24.2パーセント、この変更を反映した調整後では23.8パーセントであった。これに基づき、バイエルは、為替の影響調整後で約26パーセントまで上昇するものと予測している。医療用医薬品部門のマージンは報告値では33.3パーセント、調整後は32.6パーセントであり、本年は為替の調整後ベースで約33パーセントに達するものと予測されている。コンシューマーヘルス部門では、2019年のマージンは20.0パーセント、調整後は20.9パーセントであり、2020年には為替の調整後で22から23パーセントまで上昇する見込みである。
注記:
下記の表には、2019年通年および第4四半期のバイエルグループおよび各セグメントの主要データが含まれている。また、完全な2019年の年報告書はインターネット(www. annualreport.bayer.com)から入手可能。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活に貢献しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。また、バイエルは、持続可能な発展に尽力し、バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は435億ユーロ、従業員数は104,000名(2019年)。設備投資額は29億ユーロ、研究開発費は53億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。