本資料は11月29日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。
バイエル、生産性と収益性を大幅に向上させ、ライフサイエンス中核事業を強化
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動物用薬品事業、コンシューマーヘルス部門の「Coppertone™」および「Dr. Scholl's™」ブランドから撤退、ドイツのサイトサービス会社であるカレンタの60%の株式持分の売却を計画
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競争力を強化するための効率性と組織構造対策を設定し、2022年時点で年間寄与額26億ユーロ (モンサントの買収により想定される相乗効果を含む)を創出
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寄与額の一部は中核事業に再投資
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一時的費用の合計は、年間寄与額の1.7倍になると予想
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1株当たりの中核利益は、2019年に約1ユーロ増の6.80ユーロに増加を予想、2022年の目標は約10ユーロ
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特別項目計上前EBITDAマージンは2022年に30%超と設定
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効率性および組織構造対策により、全世界で118,200職のうち約12,000職 (ドイツ内が相当数)の削減 を予定
ドイツ レバクーゼン、2018年11月29日 - バイエルグループは、競争力を大幅に向上させながら、一連のポートフォリオ、生産性を強化するための効率性および組織構造対策、およびイノベーションを通じて、ライフサイエンス中核事業を強化していくことを目指しています。木曜日に開催された会議でドイツ・バイエル社監査役会は、経営委員会によって策定された計画について協議し、全会一致で支持を表明しました。 これらの対策を通じ、当社は魅力的かつ長期的な成長市場において、持続可能な事業の成功への道を切り開いていきます。「近年、バイエルの戦略的開発は好調に進展しています。これらの対策を進めていきながら、バイエルの業績と収益性を持続的に向上させる基盤を構築します」と、ドイツ・バイエル社社長のヴェルナー・バウマンは述べています。「これらの対策で、私たちは、将来に向けてバイエルを、ライフサイエンス企業として最適に位置付けていきます」
ライフサイエンス中核事業に注力
バイエルは2019年にポートフォリオ対策を進める予定です。バイエルは動物用薬品事業から撤退を計画し、利用可能な選択肢を審査しています。この事業は魅力的な市場において成長の可能性を提供していますが、バイエルは動物用薬品を支えるために必要な投資資源を、医療用医薬品、コンシューマーヘルスおよびクロップサイエンスの中核事業に配分する予定です。
コンシューマーヘルス部門について、当社は今後数年間で市場成長に追いつき、収益性を向上させる対策を始めました。これらの対策には、むしろバイエルの外でより良い発展の可能性が見込める製品カテゴリーからの計画的な撤退が含まれています。これまでに発表された医療用医薬品皮膚科領域事業の売却に加えて、バイエルは日焼け止め「Coppertone™」とフットケア「Dr. Scholl’s™」の製品ラインからの撤退を見据えて、今後数カ月間で戦略的選択肢を検討します。こうしたカテゴリーの戦略を通じて当社は、コンシューマーヘルス部門の中核となるカテゴリーにおいて、収益性の高い成長を推進させることに注力します。
さらにバイエルは、ドイツにおけるサイトサービス会社であるカレンタ社(以下「カレンタ」)の60%の株式持分の売却について協議しています。コベストロ社のカーブアウトが成功した後の、バイエルによるカレンタのサービス利用は、もはや60%の株式保有に正当性をもたらすものとは言えなくなっているからです。
競争力とイノベーションを強化するための対策
計画しているポートフォリオ対策に加えて、バイエルはコスト構造を大幅に改善する予定です。イノベーションと生産性をさらに強化し、未来技術へのアプローチを加速させることによって、ひいては競争力および収益性をより一層高めることを目指しています。これにより、当社はサポート・ファンクションおよびサービス全般において、さらなる効率化を達成していきます。
バイエルは米国モンサント社の買収により期待される相乗効果を含めた上で、計画した効率性と構造的対策の結果として、2022年から26億ユーロの年間寄与額を見込んでいます。世界全体で約118,200職のうち約12,000職(ドイツ内が相当数)の削減もこの対策に含まれています。今後数カ月の間に、この詳細が策定されていく予定です。これらの対策に関連する一時的費用の合計は、年間寄与額の1.7倍になると予想されます。捻出された資金の一部は、各部門のイノベーションと競争力の強化のために使用されるように設定されます。「私たちは2022年末までに、当社の将来に合計350億ユーロを投資することを目指しています。この投資の3分の2超を占めるのが研究開発で、3分の1未満が設備投資です」と、バウマンは述べています。
一定のポートフォリオおよび為替レートの想定のもとで、当社は2019年の1株当たりの利益を6.80ユーロと予想しており(2018年:5.70~5.90ユーロ)、2022年には約10ユーロを目標にしています。グループの特別項目計上前EBITDAマージンについては、2022年までの期間で30%以上にすることが目標です。
バイエルの企業戦略、財務目標および資本配分の優先順位については、12月5日にロンドンで実施する「キャピタル・マーケット・デー」で概要説明の予定です。
全部門、全ファンクション、カントリープラットフォームおよびサービスで横断的に計画される効率性および組織構造対策
医療用医薬品部門では、成功裏に継続してきた研究開発パイプラインの進展と平行して、社外のイノベーションに注力することが最も重要な戦略です。対策には、イノベーションの加速化および社内の研究開発活動の再編が含まれます。内部人員の削減により創出されたリソースは、共同研究モデルや社外のイノベーションの強化に投資されます。
血友病領域の事業では、多くの新製品の導入により競争力が大幅に増加しました。バイエルはこの分野での競争力を維持するために、ドイツのヴッパータールに建設した血液凝固第VIII因子製剤製造施設を使用せず、すべての遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤の製造を米国のバークレーに集中させることを決定しました。
コンシューマーヘルス部門では、今後の市場成長に追いつき、収益性を改善する対策を始動させます。計画されたポートフォリオ対策の域を超えて、急速に変化する市場環境における成功のために組織構造を適応させていきます。
コンシューマーヘルスおよび医療用医薬品部門で、2018年第4四半期における拠出を伴わない減損および除却損が約33億ユーロと予想されています。コンシューマーヘルス部門の場合は、主に米国メルク社および中国滇虹薬業集団(Dihon)の事業の買収によるブランド、ならびに貸借対照表に認識されている営業権の一部(合計約27億ユーロ)も関連しています。医療用医薬品の場合、約6億ユーロの減損および除却損は、特にヴッパータールの血液凝固第VIII因子製剤製造施設に関する決定によるものです。
クロップサイエンス部門では、買収したビジネスの統合に注力しています。既に発表した通り、相乗効果により2022年時点の特別項目調整特別前EBITDAに10億4千万ユーロ(12億ドル)の年間ベースの寄与額をバイエルは期待しています。コスト相乗効果による8億7千万ユーロ(10億ドル)は、上記の年間寄与額目標に含まれています。
各部門における前述の変更とポートフォリオの合理化への努力は、社内、特にコーポレート・ファンクションおよびサポート・ファンクション、ビジネスサービスおよびカントリープラットフォームにおける広範囲な調整によって補完されるものです。こうした調整の目的は、バイエルの事業および当社の顧客に最善のサポートを提供し得る効率的な組織構造およびインフラを実現するためです。
2021年末までの全世界で約12,000職の削減の実施の計画に関しては、次のようにさまざまな形で構成されます。医療用医薬品部門の研究開発で約900職、およびヴッパータールの血液凝固第VIII因子製剤製造施設に関連する約350ポジション。コンシューマーヘルス部門の再編に関連する約1,100職。クロップサイエンス部門では、買収した農業関連事業の統合の結果により約4,100ポジション。さらにコーポレート・ファンクションおよびサポート・ファンクション、ビジネスサービスおよびカントリープラットフォームでは5,500から6,000職となっています。
「バイエルのパフォーマンスおよび機敏性を高める基盤を築くために、これらの変更は必要なのです。こうした対策をもとに、当社は成長の潜在的可能性を最大限に活用することを目指します」と、バウマンは述べています。「私たちは、社員にとって、これらの決定がいかに重大なものであるかを認識しています。従来通り、私たちは、公正かつ責任ある形で、今回計画された対策を実施していきます」
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと農業関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。 バイエルはその製品とサービスを通じて、人々のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に貢献すると同時に、技術革新、成長、およびより高い収益力を通して企業価値を創造することも目指しています。 また、バイエルは、持続可能な発展に対して、そして良き企業市民として社会と倫理の双方で責任を果たすために、これからも努力を続けます。 グループ全体の売上高は350億ユーロ、従業員数は99,800名(2017年)。設備投資額は24億ユーロ、研究開発費は45億ユーロです。 詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、将来予想に関する記述が含まれています。将来予想に関する記述とは、歴史的事実および出来事とは関係なく、将来に関するバイエルの現在の考え、予測、試算を反映した一切の記述です。これは、特にこのニュースリリースにおける製品の導入およびピーク時の売上見通し、特に米国モンサント社の買収及び統合に関連した相乗効果、ポートフォリオの調整、及びコスト削減を含む収益成長に関する記述、財務目標および収益キャッシュフローの創出、デレバレッジ、及びバイエルが活動している市場に関連する事項を含む、将来の業績に関するその他類似の記述に適用されます。 このニュースリリースに含まれる将来予想に関する記述は、バイエル経営陣が合理的な試算であると確信するものに基づいていますが、既知・未知のリスクおよび不確実性を必然的に伴うため、実際の結果および将来の出来事は、この記述の予想と大きく異なることがあります。将来予想に関する記述は、将来の業績を保証するものではなく、過度の信頼をされるべきではありません。仮に状況又は経営陣の予測もしくは意見が変更された場合も、適用される証券法によって要求される場合を除き、バイエルは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。 実際の業績および将来の出来事と、将来予想に関する記述において期待されるものとが相違しうる要因についてのさらなる情報は、年次報告書2017内の「将来の展望、チャンスおよびリスクに関する報告書」の部分を含む、バイエルのウェブサイト上(https://www.investor.bayer.de/en/reports/annual-reports/overview/)の、バイエルの公的な報告書で説明されている項目を参照してください。
バイエル ホールディング株式会社
2018年12月4日、東京