本資料は9月5日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。

 

2018年第2四半期

バイエル史上最大の買収が完了

  • 6月7日以降のモンサント事業を案分により計上

  • グループ売上高は前年同期比8.5パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の94億81百万ユーロ

  • 不利な為替効果にもかかわらず、特別項目計上前EBITDAは前年同期比3.9パーセント増の23億35百万ユーロ

  • 医療用医薬品部門は売上高の増加(為替・ポートフォリオ調整後)を計上、利益は減少 ― 研究開発投資は大幅増

  • コンシューマーヘルス部門の事業は再び低調

  • クロップサイエンス部門の売上高および利益は、低調であった前年同四半期から力強い増加を達成

  • 動物用薬品事業では売上高(為替・ポートフォリオ調整後)および利益が向上

  • 当期純利益は7億99百万ユーロ

  • 1株あたり中核利益は前年同期比1.3パーセント増の1.54ユーロ

  • 2018年度のグループ業績予測(買収を反映した調整後)を確認

ドイツ レバクーゼン、2018年9月5日 - 2018年第2四半期、バイエルは会社史上最大の買収を成功裏に完了した。一方で、新たに買収した米国モンサント社(以下「モンサント」)の事業を考慮に入れなくとも業績は向上した。4つのうち3つの事業セグメントにおいて、為替およびポートフォリオの影響調整後(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で売上高が増加した。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、水曜日に行われた中間報告において「私たちは、年間目標の達成に向けて順調に推移しています」と述べた。クロップサイエンス部門および動物用薬品事業の成長のおかげで、特別項目計上前EBITDAは増加した。バイエルは、買収日以降のモンサントからの売上高および利益に対する貢献を考慮して、グループ業績予測を調整した。当社は、2018年は少なくとも昨年と同レベルの1株あたり配当金を支払うことを目指している。

 

 バイエルは2018年6月7日、負債を含む630億ドルでモンサントの買収を完了した。バウマンは「モンサントの買収は、バイエルの革新的な化学および生物農薬ポートフォリオと、種子および形質分野におけるモンサントの非常に優れた専門知識という、力強くかつ極めて相互補完的な2つの事業を一つにまとめるものです」と述べ「私たちは今や、顧客と社会の利益のためのイノベーションと持続可能性に対して明確に誓約する、農業業界のリーダーです」と付け加えた。農業における従業員の幅広い専門知識の活用に加え、バイエルは現在、広範囲の作物および適用に対応した種子・農薬製品からなる最強のポートフォリオや、最高の研究開発プラットフォーム、先進的なデジタル農業事業も保有している。

 

グループの売上高および利益は増加

 第2四半期のバイエルグループの売上高は、8.5パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の94億81百万ユーロに増加した。報告ベースでは、売上高は8.8パーセント増加した。特別項目計上前EBITDAは3.9パーセント増加して、23億35百万ユーロとなった。為替のマイナス効果は利益を約1億30百万ユーロ押し下げた。EBITは、主にモンサントの買収に関連する費用による3億63百万ユーロ(2017年第2四半期:2億44百万ユーロ)の特別損失計上後で、7.7パーセント減の13億51百万ユーロに減少した。当期純利益は、コベストロの連結除外に伴い同社からの利益貢献がなくなったことが主因となり、34.7パーセント減少して7億99百万ユーロとなった。一方、継続事業からの1株あたり中核利益は1.3パーセント増加して1.54ユーロとなった。

 

 継続事業における営業活動からもたらされたネットキャッシュは、運転資本として滞留するキャッシュの減少が主因となり、17.8パーセント増の22億40百万ユーロに増加した。モンサントの買収により、純金融負債は2018年6月30日現在446億97百万ユーロに増加した。

 

医療用医薬品部門は主要な成長製品のおかげで売上高が増加

 処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、3.1パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の42億17百万ユーロに増加した。バウマンは「私たちの主要な成長製品は、引き続き全体的に力強い業績を上げました」と述べた。経口抗凝固剤「イグザレルト®」、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®」、抗悪性腫瘍剤「ゾーフィゴ®」および「スチバーガ®」ならびに肺高血圧症治療剤「アデムパス®」の合計売上高は、前年同期比で13.2パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加して、16億91百万ユーロとなった。「イグザレルト®」の売上高は、ヨーロッパ、日本および中国における販売量の増加に牽引され、10.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。「イグザレルト®」がジョンソン・エンド・ジョンソン社の子会社によって販売されている米国におけるライセンス収入(売上高として計上)も、好調に推移した。「アイリーア®」(為替・ポートフォリオ調整後:+22.5パーセント)および「アデムパス®」(為替・ポートフォリオ調整後:+23.4パーセント)の売上高は、さらに力強く増加した。「ゾーフィゴ®」については、米国、日本およびその他の国々において販売量が減少した結果、売上高は減少した(為替・ポートフォリオ調整後:-9.2パーセント)。

 

 その他の売上上位の医療用医薬品の中で最も力強い売上増を記録したのは、中国における販売量の増加を主因とする食後過血糖改善剤「グルコバイ™」(為替・ポートフォリオ調整後:+10.3パーセント)および米国における好業績の恩恵を受けたMRI用造影剤「Gadavist™」「ガドビスト®」(為替・ポートフォリオ調整後:+13.0パーセント)であった。一方、多発性硬化症の再発予防・進行抑制剤「ベタフェロン®」「Betaseron™」の売上高は、米国における激しい競争が主因となり、18.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤「コージネイト®」「コバールトリイ®」については、2017年末における販売パートナーとの契約終了の影響を受けて、バイエルは13.7パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の減少を計上した。

 

 医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは8.0パーセント減の13億63百万ユーロに減少した。為替の影響調整後ベースでは、利益は4.3パーセント減少した。この減少は、主に研究開発費および販売費の増加と、一時的な供給停止に関連する影響、および売上原価の増加に起因するものであった。

 

アジア・太平洋地域で売上高が成長に転じたものの、コンシューマーヘルス部門の業績は低下

 セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、1.4パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)の14億13百万ユーロに減少した。バウマンは「事業はアジア・太平洋地域において再び成長しています」と述べた。しかし、同地域における売上高の成長は、他の地域、特にヨーロッパ・中東・アフリカ地域および北米地域における減少を十分相殺しなかった。

 

 外傷治療・スキンケア製品「Bepanthen™」「Bepanthol™」の売上高は、主にヨーロッパにおける成長のおかげで、2.7パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。解熱鎮痛薬「Aleve™」の事業も、特に米国における製品ラインの拡充のおかげで拡大した(為替・ポートフォリオ調整後:+3.3パーセント)。プレナタルビタミン「エレビット®」の売上高は、アジア・太平洋地域において力強い需要が継続したことから恩恵を受けて、31.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。抗ヒスタミン剤「クラリチン®」の事業は、中国における発注パターンの変化と、米国においてアレルギーの季節のスタートが著しく遅れたことが主因となり、5.7パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。フットケア製品「Dr. Scholl’s™」の売上高は、特にバイエルが前年同四半期において販売業者による在庫増加の恩恵を受けていた米国において、9.8パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。全体的には、「Dr. Scholl’s™」ブランドの再構築は好調に前進している。

 

    コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、販売量の減少と、製品構成の変化を一因とする売上原価の上昇が主因となり、18.5パーセント減(為替の影響調整後:-14.6パーセント)の2億56百万ユーロに減少した。

 

クロップサイエンス部門の利益は前年同期の2倍

 農業関連事業(クロップサイエンス部門)において、バイエルは30億11百万ユーロの売上高を計上した。この数値には、モンサントの買収により2018年6月7日以降の案分ベースとして5億43百万ユーロおよび8月にBASF社(以下 「BASF」)に売却した事業からの4億68百万ユーロが含まれている。為替・ポートフォリオ調整後ベースでは、売上高は21.4パーセント増加した。この推移は、ブラジルにおける高い在庫水準により、前年同四半期に農薬製品の返品に対する引当金が著しく増加したことが一因である。2018年第2四半期に成功裏に完了した是正措置で、同地の在庫状況は正常化した。

 

 モンサントの買収を通じて、バイエルは、特にトウモロコシおよび大豆に関する種子事業を大幅に拡大した。これに加えて既存の除草剤事業は大幅に拡大された。地域に関しては、この取引は主にバイエルの北米地域および中南米地域における事業を拡大した。

 

 当社の最新の報告体制は、現在、7つの事業と「その他」の区分で構成されている。為替・ポートフォリオ調整後ベースの売上高は、殺菌剤(+47.8パーセント)、殺虫剤(+37.1パーセント)および大豆種子および形質(+37.8パーセント)において特に力強く増加した。除草剤、その他(ともに+12.7パーセント)および野菜種子(+5.9パーセント)も成長を計上したが、一方でトウモロコシ種子および形質は前年同期から変化がなく、エンバイロサイエンス事業(-14.1パーセント)は減少した(為替・ポートフォリオ調整後ベース)。

 

    クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、99.1パーセント増の6億31百万ユーロに増加した。前年同四半期において、利益はブラジルの状況からマイナスの影響を受けていた。2018年第2四半期には、新たに買収した事業が利益に70百万ユーロのプラスの貢献をもたらした。一方、利益は52百万ユーロ(モンサントの事業を除く)に上る為替のマイナス効果によって押し下げられた。

 

動物用薬品事業:売上高および利益が増加

 動物用薬品事業の売上高は、7.6パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の4億53百万ユーロに増加した。北米地域で最も力強い成長が見られたが、これは後続四半期の需要動向が前倒しになったことが主因である。アジア・太平洋地域および中南米地域の実績は、為替・ポートフォリオ調整後ベースで特に好調であった。為替・ポートフォリオ調整後ベースでは、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域のみ売上高が減少した。売上高が最も力強く成長したのは首輪型ノミ・マダニ駆除剤「Seresto™」(為替・ポートフォリオ調整後:+29.2パーセント)であった。ノミ・マダニ駆除剤「アドバンテージ®」製品ラインの事業は13.8パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)拡大した。一方、抗菌剤「バイトリル®」の売上高は17.1パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。特別項目計上前EBITDAは10.3パーセント増(為替の影響調整後:+19.0パーセント)の1億28百万ユーロに増加した。この推移は主に北米の需要動向によって販売量が増加したことに起因する。

 

グループ業績予測を調整、配当の最小目標値は安定

 モンサント買収のクローズが予想より遅れたため、バイエルの2018年の利益は2月に提示した業績予測を下回る予定であるが、これはモンサントの事業の季節性によるものである。バウマンは「買収した事業は、売上高、そしてとりわけ利益の大部分を、年の上半期に生み出します」と説明した。

 

 バイエルグループの売上高は、現在、買収したモンサントの事業に起因する50億ユーロ以上を含み、390億ユーロ以上(従来予測:約350億ユーロ以下)と予測されている。一部事業のBASFへの売却で、予想売上高は約10億ユーロ減少する予定である。この予測は現在、為替・ポートフォリオ調整後ベースで1桁台半ばパーセントの増加(従来予測:1桁台前半から半ばパーセントの増加)に相当する。

 

 バイエルは現在、特別項目計上前EBITDAは1桁台前半から半ばパーセントの増加(従来予測:1桁台前半パーセントの減少)になると予測している。為替の影響調整後では、これは1桁台後半パーセントの増加(従来予測:1桁台半ばパーセントの増加)に相当する。

 

 現在、1株あたり中核利益は5.70から5.90ユーロの間(従来予測:前年と同レベル)になると見られている。為替の影響調整後ベースでは、これは1桁台後半パーセントの減少(従来予測:1桁台半ばパーセントの増加)に相当する。前年同期の1株あたり中核利益は株主割当増資の影響を反映して6.64ユーロに修正再表示されており、今回はこれが考慮されている。

 

 バイエルは、2018年は少なくとも昨年と同レベルの1株あたり配当金を支払うことを目指している。これは既存の配当方針(1株あたり中核利益の30~40パーセント)からの上振れとなる。バウマンは「私たちは、統合した事業が優れた業績を上げるものと予測しており、魅力的な配当金を支払うことによって当社株主と成功を分かち合うことを望んでいます」と述べた。同セクターの非常に季節的な性質を考慮すると、買収したモンサントの事業が1株あたり中核利益に与える貢献はわずかなものとなる。しかし、同事業は多額の営業キャッシュフローを生み出す。さらに、バイエルは、予定されているBASFへの事業売却収入、およびすでに認識されているコベストロ株式の売却収入からも恩恵を受けることができる。年度末の純金融負債は当初の予測を著しく下回り、約370億ユーロとなる予定である。

 

 業績予測は、モンサント株式の取得に関する資金調達コストのほか、増資後のバイエル株式数の増加を期間案分により考慮したものである。BASFに売却された事業は、それぞれの売却日をもって除外されている。

 

 医療用医薬品部門および動物用薬品事業については、バイエルは、売上高および利益に関する従来の指針を確認した。

 

 コンシューマーヘルス部門については、当社は、売上高および為替の影響調整後特別項目計上前EBITDAに関する予測を確認した。特別項目計上前EBITDAについては、バイエルは現在、為替効果の結果として、1桁台半ばパーセントの減少(従来予測:1桁台前半パーセントの減少)を予測している。

 

 クロップサイエンス部門については、当社は現在、140億ユーロを若干上回る(従来予測:95億ユーロ以上)売上高を予測している。上記で説明したとおり、これには買収した事業からの50億ユーロを超える売上高へのプラス効果および一部事業のBASFへの売却による約10億ユーロのマイナス効果が含まれている。バイエルは引き続き、為替・ポートフォリオ調整後ベースで1桁台半ばパーセントの増加を予測している。特別項目計上前EBITDAについては、当社は20パーセント台半ばパーセント(従来予測:1桁台半ばから後半パーセント)の増加を予測している。為替の影響調整後ベースでは、バイエルは現在、約30パーセントの増加(従来予測:10パーセント台半ばパーセントの増加)になると見ている。

 

注記

下記の表には、2018年第2四半期のバイエルグループおよび各セグメントの主要データが含まれている。 また、完全な第2四半期報告書はインターネット www.quarterly-report-2018-q2.bayer.com/から入手可能。

 

バイエルグループ主要データ、 2018年第2四半期

 

バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと農業関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。 バイエルはその製品とサービスを通じて、人々のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に貢献すると同時に、技術革新、成長、およびより高い収益力を通して企業価値を創造することも目指しています。 また、バイエルは、持続可能な発展に対して、そして良き企業市民として社会と倫理の双方で責任を果たすために、これからも努力を続けます。 グループ全体の売上高は350億ユーロ、従業員数は99,800名(2017年)。設備投資額は24億ユーロ、研究開発費は45億ユーロです。 詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このコミュニケーションに含まれる記述は、「将来予想に関する記述」を構成する可能性がある。実際の結果は、この将来予想に関する記述内における予想または予測されたものと大きく異なる可能性がある。実際の結果を大きく異なるものとしうる要因には以下を含む:当該両社が予想された相乗効果と営業効率を、この合併において予想された時間の枠組内には、または全く、達成することができないリスクおよびドイツ・バイエル社(以下「バイエル」)の営業に米国モンサント社(以下「モンサント」)の営業を成功裏に統合させることを、達成することができない可能性;そのような統合は予想より困難であったり、時間がかかったり、費用がかさむかもしれない;この取引後の収益が予想より低いかもしれない;営業費用、顧客の喪失および事業の分裂(従業員、顧客、クライアントまたはサプライヤーとの関係の維持の困難を含む)が取引後に予想より大きいまたはより重要かもしれない;モンサントにおけるある重要な従業員の維持;当該両社の、この合併の会計、税務処理に関する期待を満たす能力;この取引のための借入金の再資金調達による影響;この取引に関してバイエルが負う負債の影響およびバイエル負債の格付けへの潜在的影響;統合後の会社の将来の財務状況、営業実績、戦略および計画を含むバイエルとモンサントの事業統合の効果;米国証券取引委員会(「SEC」)に提出された様式10-Kによるモンサントの2017年8月31日に終了する会計年度の年次報告書またはhttp://www.sec.govとモンサントのウェブサイトwww.monsanto.comで入手可能なモンサントのSECへの他の報告書に詳細が記載された他の要因;ならびにバイエルのウェブサイトwww.bayer.comで入手可能なバイエルの公的な報告書で検討されている他の要因。バイエルは、法律で要求されない限りこのコミュニケーションにおける情報を更新する義務を負わない。ここにある日付に限り伝えるものであるこれらの将来予想に関する記述を、過度に信頼しないよう読者は警告される。

 

バイエル ホールディング株式会社
2018年9月11日、東京