本資料は10月30日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください

 

2019年第3四半期

バイエル:全部門で力強い業績 - カレンタ社および動物用薬品事業の売却合意に署名

  • グループ売上高は前年同期比5.4パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の98億30百万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比7.5パーセント増の22億91百万ユーロ
  • クロップサイエンス部門は売上高の増加および大幅な利益の成長を報告
  • 医療用医薬品部門の売上高は増加 - 前年に一時的利益があったため、利益は減少
  • コンシューマーヘルス部門は売上高(為替・ポートフォリオ調整後)および利益の増加を計上
  • 当期純利益は前年同期比63.9パーセント減の10億36百万ユーロ - 前年同期に含まれていた多額の事業売却益のため
  • 1株あたり中核利益は前年同期比6.4パーセント増の1.16ユーロ
  • グループの業績予測を確認、継続事業に合わせて調整

ドイツ レバクーゼン、2019年10月30日 ― バイエルはすべての重要な分野において前進しており、経営上、戦略上ともに順調である。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、水曜日に行われた四半期の決算報告において「バイエルは第3四半期、成功を収めました」と述べ、「私たちは、グループの売上高と特別項目計上前EBITDAを増加させ、事業はすべての部門で順調に推移しました。同時に、特に2018年末に発表した効率性、組織構造およびポートフォリオ対策において、戦略的観点から大きく前進しました」と付け加えた。バウマンは、低い世界経済成長予測にもかかわらず、2019年の当社の業績予測を確認した。

 

バウマンは「発表済みの事業売却については、計画より早く進んでいます」と説明した。8月、バイエルは、動物用薬品事業を米国のエランコ・アニマルヘルス社に76億ドルで売却する合意を締結し、またドイツにおけるサイトサービス会社カレンタ社の60パーセント持分をMacquarie Infrastructure and Real Assets社支配下の会社に売却することについても合意に達した。現在、動物用薬品事業およびカレンタ社はともに非継続事業として報告されている。バイエルは、動物用薬品事業の売却については2020年半ばのクロージングを見込んでおり、一方でカレンタ社持分の売却は2019年12月のクロージングを予定している。7月に発表したフットケア製品ポートフォリオ「Dr. Scholl's™」のYellow Wood Partners社への売却は、11月のクロージングが見込まれている。「Coppertone™」ブランドのBeiersdorf社への売却は、8月にすでにクローズされている。

 

バイエルグループの第3四半期の売上高は、為替およびポートフォリオの調整後ベース(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で5.4パーセント増の98億30百万ユーロに増加した。報告ベースでは、売上高は6.1パーセント増加した。特別項目計上前EBITDAは7.5パーセント増の22億91百万ユーロに増加した。2019年1月1日から適用されているIFRS第16号により、約1億10百万ユーロのプラス効果があった。この新基準に基づき、リース費用はEBITDAに計上されなくなった。さらに、77百万ユーロの為替のプラス効果があった。

 

EBITは、特別損失純額13百万ユーロの計上後で71.9パーセント減の12億15百万ユーロに減少した。前年同期のEBITの数値には、BASF社への事業売却に伴う約39億ユーロの税引前利益による特別利益純額31億28百万ユーロが含まれていた。2019年第3四半期中、米国外の皮膚科処方薬事業の売却から得た特別利益3億50百万ユーロは、主として進行中の事業再編プログラム(2億13百万ユーロ)および訴訟(1億4百万ユーロ)に関連する特別損失を減殺した。前年同期に多額の特別利益が計上されたことから、当期純利益は63.9パーセント減の10億36百万ユーロに減少した。継続事業からの1株あたり中核利益は6.4パーセント増加して1.16ユーロとなった。

 

フリー・キャッシュ・フローは13.2パーセント増の12億63百万ユーロに増加した。2019年9月30日現在の純金融負債は378億60百万ユーロであり、2019年6月30日から2.4パーセント減少した。

 

クロップサイエンス部門は売上高および利益増を計上

農業関連事業(クロップサイエンス部門)において、バイエルは、中南米地域および北米地域における成長により、売上高を4.8パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の39億48百万ユーロに増加させた。バウマンは「厳しさが続く市場環境の中でも、クロップサイエンス部門の事業は順調に推移しています」と述べた。ヨーロッパおよびオーストラリアの干ばつは、事業を圧迫する要因の一つとなった。

 

米国モンサント社(以下「モンサント」)の買収およびそれに関連する事業売却が2018年1月1日付ですでに行われていたと仮定して売上高を提示した試算ベースでは、クロップサイエンス部門は為替の影響調整後ベースで5.7パーセントの成長を報告した。試算ベースの売上高は、殺菌剤、トウモロコシ種子および形質、大豆種子および形質において特に力強く成長したが、一方で野菜種子およびその他において最も急激な減少を計上した。

 

クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、24.9パーセント増の5億27百万ユーロに増加した。この増加は主として、中南米地域における販売価格および販売量の増加と、買収した事業の統合が進むにつれて実現されたコスト・シナジーによるものである。さらに、51百万ユーロの為替のプラス効果があった。一方、利益は主に売上原価の増加により押し下げられた。

 

2019年10月11日現在、農薬製品のグリホサートに関連して、米国において約42,700名の原告から訴訟が提起されている。この大幅な増加は、上半期全体と比べて第3四半期中にはおよそ2倍になったと推定される原告側のテレビ広告費用により牽引されたことが明らかである。ただし、訴訟の数はその訴訟の本質について何も示すものではない。バイエルは実績ある抗弁を有していると引き続き確信しており、3件の第一審判決に対する控訴手続およびその他すべての将来の訴訟手続において自身を力強く弁護していく意向である。これと同時に、当社は、カリフォルニア州の連邦裁判所判事の命令による調停手続に建設的に携わっている。

 

医療用医薬品部門では「イグザレルト®」および「アイリーア®」により売上高がさらに成長

処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、5.9パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の45億4百万ユーロに増加した。バウマンは「事業は中国における力強い成長の継続と、経口抗凝固剤『イグザレルト®』および眼科用VEGF阻害剤『アイリーア®』の売上増により牽引されました」と述べた。「イグザレルト®」の売上高は、主に中国およびロシアにおいて販売量が増加した結果、9.1パーセント増加した(為替・ポートフォリオ調整後)。「アイリーア®」の売上高は15.9パーセント増加し(為替・ポートフォリオ調整後)、主としてヨーロッパ・中東・アフリカ地域、特に英国およびドイツにおいて事業が拡大した。「アイリーア®」の売上高は日本でも増加した。

 

抗菌剤「Avalox™」「アベロックス®」(為替・ポートフォリオ調整後32.8パーセント増)および抗悪性腫瘍剤「スチバーガ®」(為替・ポートフォリオ調整後30.6パーセント増)の売上高が特に力強く増加したのは、主に中国において販売量が増加したためである。「スチバーガ®」に対する需要は米国およびロシアでも増加した。肺高血圧症治療剤「アデムパス®」の売上高は、主として米国における好調な推移により、19.3パーセント増加した(為替・ポートフォリオ調整後)。一方、多発性硬化症の再発予防・進行抑制剤「ベタフェロン®」「Betaseron™」の売上高は引き続き大幅に低下し、18.2パーセント減少した(為替・ポートフォリオ調整後)。主として米国における激しい競争により、業績は押し下げられた。

 

医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは1.7パーセント減の15億27百万ユーロに減少した。前年同四半期の利益には、開発提携からの利益に関連する約1億90百万ユーロの一時的なプラス効果が含まれていた。これに加えて、本年度第3四半期の利益は、製品発売および新規適応に関する販売費用により押し下げられた。一方、販売量の増加および20百万ユーロの為替効果はプラスの影響をもたらした。

 

コンシューマーヘルス部門の利益は増加し、ほぼすべての領域で売上高の成長を計上

バイエルは、セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高を、3.7パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の12億88百万ユーロに増加させた。バウマンは「コンシューマーヘルス部門において実施されている対策が功を奏しており、売上高および利益が回復し始めたと見ることができます」と述べた。ヨーロッパ・中東・アフリカ地域および中南米地域において事業が拡大した。解熱鎮痛薬および循環器領域は全体として最も力強い業績を上げ(為替・ポートフォリオ調整後9.0パーセント増)、アレルギー薬および風邪薬領域がこれに続いた(為替・ポートフォリオ調整後6.4パーセント増)。胃腸薬領域は、為替・ポートフォリオ調整後ベースで売上高が減少した唯一の領域であった(7.5パーセント減)。

 

コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、3.2パーセント増の2億56百万ユーロに増加した。利益に対するプラスの貢献は、主として2018年末に開始され、販売費の大幅な減少につながった効率性プログラムと、9百万ユーロの為替のプラス効果によりもたらされた。売却された皮膚科処方薬事業からの貢献がなかったことにより、利益は押し下げられた。

 

バイエルは業績予測を確認

バイエルは、本年2月に公表した2019事業年度の業績予測を確認した。この予測はすべての事業が継続事業であるとの基準で発表されていた。動物用薬品事業の売却およびカレンタ社持分の売却以降の進展を考慮して、当初の業績予測は、これらの事業(現在は非継続事業として報告されている。)からの売上高および利益への貢献を除外して調整された。現在の為替レートも考慮されている。

 

この調整後ベースでは、バイエルはグループの売上高を約435億ユーロと見込んでいる。これは引き続き、為替・ポートフォリオ調整後ベースで約4パーセントの増加に相当する(約460億ユーロとした当初予測から、ポートフォリオ対策に関して約30億ユーロの減少、為替効果に関して約5億ユーロの増加)。同ベースでは、2019事業年度の特別項目計上前EBITDAは約115億ユーロになると予測している(約122億ユーロとした当初予測から、ポートフォリオ対策に関して約6億ユーロの減少、さらに為替効果に関して約1億ユーロの減少)。また1株あたり中核利益は約6.35ユーロになると予測している(6.80ユーロとした当初予測から、ポートフォリオ対策に関して約0.35ユーロの減少、さらに為替効果に関して約0.10ユーロの減少)。

 

注記:

下記の表には、2019年第3四半期および1-9月のバイエルグループおよび各セグメントの主要データが含まれている。また、完全な第3四半期報告書はインターネット(www.bayer.com/quarterly-statement)から入手可能。

 

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バイエルについ
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活に貢献しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。また、バイエルは、持続可能な発展に尽力し、バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は396億ユーロ、従業員数は117,000名(2018年)。設備投資額は26億ユーロ、研究開発費は52億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

将来予想に関する記述 Forward-Looking Statements
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

 

バイエル ホールディング株式会社
2019年11月6日、東京