本資料は11月13日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。

 

2018年第3四半期

バイエル:厳しい環境下で良好な業績、グループ業績予測を確認

  • グループ売上高は前年同期比1.9パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の99億5百万ユーロ

  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期と同レベルの22億2百万ユーロ

  • 医療用医薬品部門の業績は引き続き好調

  • コンシューマーヘルス部門の売上高は増加(為替・ポートフォリオ調整後)、一方で為替効果が利益を圧迫

  • クロップサイエンス部門は買収により売上高および利益の大幅な増加を計上 - 統合プロセスに向けて成功裏にスタート

  • 動物用薬品事業の売上高および利益は好調な第2四半期から減少

  • 事業売却により約39億ユーロの一時的利益(税引前)

  • 当期純利益は28億86百万ユーロ

  • 1株あたり中核利益は1.19ユーロ

  • 2018年度の調整後グループ業績予測を確認

ドイツ レバクーゼン、2018年11月13日 - バイエルグループは、2018年第3四半期、厳しい環境下で良好な業績を達成した。米国モンサント社(以下「モンサント」)買収のクロージング以降、この新たな事業が四半期を通じて算入されるのは初めてであり、現在、統合プロセスは成功裏に進行している。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、火曜日に行われた中間報告において「クロップサイエンス部門は買収のおかげで利益の大幅な増加を計上し、また医療用医薬品部門は好調に進展しました。一方、コンシューマーヘルス部門では、利益は為替効果により押し下げられたものの、為替およびポートフォリオの影響調整後で売上高の増加を計上しました」と述べた。さらにバウマンは、2018年度通年の調整後グループ業績予測を確認した。

 

第3四半期のグループ売上高は、為替およびポートフォリオの影響調整後(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で1.9パーセント増の99億5百万ユーロに増加した。報告ベースでは、売上高は23.4パーセント増加した。特別項目計上前EBITDAは前年同期と同レベルの22億2百万ユーロ(-0.1パーセント)であったが、一方で買収した農業関連事業からの貢献は予想を上回った。為替のマイナス効果は利益を約1億60百万ユーロ押し下げた(買収した事業を除く)。EBITは、特別利益純額31億23百万ユーロ(2017年第3四半期:特別損失純額2億49百万ユーロ)の計上後で、前年同期の3倍以上に相当する44億23百万ユーロとなった。これらの特別利益は主に、独占禁止法上の理由でクロップサイエンス部門の一部事業をBASF社(以下「BASF」)に売却したことに関連する約39億ユーロの税引前事業譲渡売却収入によるものである。これらは農業関連業界における買収に関連する費用を減殺した。当期純利益は25.6パーセント減少して28億86百万ユーロとなった。前年同四半期には、コベストロの連結除外に伴う利益が含まれていた。継続事業からの1株あたり中核利益は、予想通り前年同四半期を下回り、1.19ユーロとなった(-17.9パーセント)。これは主に買収関連の資金調達コストに起因する。これらの費用は、買収した事業からの利益貢献(季節変動要因により予想通り前年同期を下回った)を減殺した。さらに、第2四半期に行った株式発行の結果、株式数は増加した。

 

継続事業における営業活動からもたらされたネットキャッシュは、運転資本として滞留するキャッシュの前年同期を上回る減少が主因となり、7.8パーセント増の20億51百万ユーロに増加した。バイエルは、純金融負債を9月30日現在で第2四半期末から18.3パーセント減の365億24百万ユーロに減少させた。この減少は、BASFへの事業売却収入を、農業関連業界の買収のつなぎ融資の一部返済に使用したことが主因である。

 

医療用医薬品部門では売上高および利益が増加

処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、4.8パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の41億63百万ユーロに増加した。バウマンは「すべての地域がこの力強い業績に貢献しました」と述べ「私たちは、ヨーロッパと中国で特に好調な推移を記録しました」と付け加えた。バイエルの主要な成長製品の売上高は17億30百万ユーロに達し、経口抗凝固剤「イグザレルト®」、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®」、抗悪性腫瘍剤「ゾーフィゴ®」および「スチバーガ®」ならびに肺高血圧症治療剤「アデムパス®」は合計で15.7パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。「イグザレルト®」の事業は、ヨーロッパ、特にドイツ、および中国における販売量の増加により18.8パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。バイエルは、「アイリーア®」(17.9パーセント)および「アデムパス®」(22.1パーセント)についても、為替およびポートフォリオの影響調整後ベースで著しい売上高の増加を記録した。「ゾーフィゴ®」の売上高は、米国および日本における販売量の減少が主因となり、13.0パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。

 

その他の売上上位の医療用医薬品の中で最も力強い売上増を記録したのは、中国における販売量の増加によって業績が牽引された食後過血糖改善剤「グルコバイ®」(為替・ポートフォリオ調整後:14.3パーセント)であった。一方、バイエルの高血圧・狭心症治療剤「アダラート®」の売上高は、中国における販売量の拡大が、日本およびカナダにおける減少を相殺するのに十分ではなかったため、6.4パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。

 

医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは、4.1パーセント増の15億54百万ユーロに増加した。為替の影響調整後ベースでは、利益は9.0パーセント増加した。この増加の大部分は、同部門における非常に好調な事業の推移と「イグザレルト®」を共同開発しているジョンソン・エンド・ジョンソン社の子会社から、米国において期待が高い新規適応の承認取得後に、契約一時金として約1億90百万ユーロが支払われたことによるものであった。利益にマイナスの影響を与えたのは、主として、一時的な供給停止および売上原価の増加であった。

 

コンシューマーヘルス部門は売上高の増加(為替・ポートフォリオ調整後)を記録

セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、3.0パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の12億97百万ユーロに増加した。バウマンは「すべての地域がこの成長に貢献しましたが、アジア・太平洋地域は9パーセント以上増と、最も力強い売上高の増加を計上しました」と述べた。

 

プレナタルビタミン「エレビット®」の事業は特に力強く成長し、売上高は13.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。この成長は、アジア・太平洋地域における力強い需要の継続および製品ラインの拡大に牽引された。外傷治療・スキンケア製品「Bepanthen™」「Bepanthol™」ブランドの売上高も、為替およびポートフォリオの影響調整後ベースで、特にヨーロッパにおいて増加した(2.4パーセント)。抗ヒスタミン剤「クラリチン®」の事業は、米国において同市場セグメントに関して低調な季節が続いたことが主因となり、前年同期比で6.7パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。解熱鎮痛薬「アスピリン®」の売上高は、予想されていた一時的な供給停止が主因となり、11.7パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。医療用医薬品部門において報告されている「Aspirin™ Cardio」の事業を含めると、売上高は5.6パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。

 

コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、9.5パーセント(為替の影響調整後:1.1パーセント)減の2億48百万ユーロに減少した。販売量の増加と販売費用の減少、および一般管理費の減少は、利益にプラスの影響を与えた。同部門の前年同期の利益には、主に非中核ブランドの売却に関連する約30百万ユーロの一時的利益が含まれていた。

 

クロップサイエンス部門では利益が大幅に増加

農業関連事業(クロップサイエンス部門)において、バイエルは37億33百万ユーロの売上高を記録した。このうち約22億ユーロは、買収した事業に関連するものであった。さらに、BASFに売却した一部事業が、8月に各取引がクロージングとなる前に、約1億ユーロの貢献をもたらした。売上高は為替およびポートフォリオの影響調整後ベースで9.5パーセント減少したが、これは、ブラジルにおいて前年に講じた会計上の措置、引当金の戻入れが2017年第3四半期の売上高にプラスの影響を与えていたためである。クロップサイエンス部門は、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域でも販売量の減少を記録した。為替およびポートフォリオの影響調整後ベースの売上高は、北米地域では前年同期比で増加した。

 

クロップサイエンス部門の試算ベースの売上高は、トウモロコシ種子および形質と、大豆種子および形質における著しい成長を一因とし、1.4パーセント(為替の影響調整後)増加した。中南米地域および北米地域において販売価格および販売量が増加した結果、除草剤の試算ベースの売上高は増加した。殺菌剤および殺虫剤の試算ベースの売上高は、前年のブラジルにおける影響と、ヨーロッパの干ばつにより、減少した。

 

クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、25.7パーセント増の3億86百万ユーロに増加した。バウマンは「この増加は、主として、新たに買収した事業からの2億55百万ユーロの利益貢献に起因するものです」と述べた。利益に影響を与えたマイナス要因には、ブラジルで前年に講じた会計上の措置、ヨーロッパにおける販売量の減少、前年同四半期におけるその他の営業利益の増加、BASFに売却した事業からの案分による2017年第3四半期の利益貢献、および59百万ユーロに上る為替のマイナス効果(買収した事業を除く)が含まれる。

 

 農薬製品のグリホサートに関連して、10月30日現在、米国において、約9,300名の原告からの訴訟が送達されている。バウマンは「私たちは、これらすべての訴訟において実績ある抗弁を有していると引き続き信じており、力強く弁護していく意向です」と強調した。バウマンはジョンソン裁判について、この評決は第一審裁判所による単独の判断であって、他の訴訟に対する拘束力はないと述べた。バイエルは、この判断が誤りであると考えており、したがってカリフォルニア州控訴裁判所に上訴する予定である。グリホサートは、800以上の科学的研究、グリホサートに関する何十年もの実際的経験、および160カ国以上の規制当局の評価によって確認されている通り、ラベルの指示通りに使用すれば安全である。

 

動物用薬品事業では、予想された通り業績が低下

動物用薬品事業の売上高は、13.5パーセント減の3億4百万ユーロに減少した(為替・ポートフォリオ調整後)。同セグメントは、アジア・太平洋地域においては為替およびポートフォリオの影響調整後ベースで成長を記録したが、その他の地域では前年同期比で業績が低下した。首輪型ノミ・マダニ駆除剤「Seresto™M」(3.0パーセント)および抗菌剤「バイトリル®」(8.7パーセント)の売上高は、為替およびポートフォリオの影響調整後で増加を記録した。一方、ノミ・マダニ駆除剤「アドバンテージ®」製品ラインの売上高は、特に北米地域において、第3四半期から上半期へ需要が大きくシフトしたため、減少した(為替・ポートフォリオ調整後:34.7パーセント)。特別項目計上前EBITDAは予想通り減少し、45.7パーセント減(為替の影響調整後:-42.0パーセント)の44百万ユーロとなった。この減少は主に、第3四半期から上半期への需要のシフトが主因となって販売量が減少したことに起因する。

 

グループ業績予測を確認

バイエルは、買収を反映して2018年第2四半期に更新したグループの業績予測を確認した。一方、コンシューマーヘルス部門および動物用薬品事業に関する予測は現在、次第に野心的なものとなっている。

 

従来の指針に沿って、バイエルグループの売上高は390億ユーロ以上になると予測されている。これは、為替およびポートフォリオの影響調整後ベースで1桁台半ばパーセントの増加に相当する。バイエルは引き続き、特別項目計上前EBITDAは1桁台前半から半ばパーセントの増加になると予測している。為替の影響調整後では、これは1桁台後半パーセントの増加に相当する。1株あたり中核利益は従来の指針と同じく、5.70から5.90ユーロの間になると見られている。為替の影響調整後ベースでは、これは1桁台後半パーセントの減少に相当する。

 

従来通り、バイエルは、2018年は少なくとも昨年と同レベルの1株あたり配当金を支払うことを目指している。

 

注記:

下記の表には、2018年第3四半期および1-9月のバイエルグループおよび各セグメントの主要データが含まれている。また、完全な第3四半期報告書はインターネット www.quarterly-report-2018-q3.bayer.com/から入手可能。

 

バイエルグループ主要データ、 2018年第3四半期

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと農業関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。 バイエルはその製品とサービスを通じて、人々のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に貢献すると同時に、技術革新、成長、およびより高い収益力を通して企業価値を創造することも目指しています。 また、バイエルは、持続可能な発展に対して、そして良き企業市民として社会と倫理の双方で責任を果たすために、これからも努力を続けます。 グループ全体の売上高は350億ユーロ、従業員数は99,800名(2017年)。設備投資額は24億ユーロ、研究開発費は45億ユーロです。 詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このコミュニケーションに含まれる記述は、「将来予想に関する記述」を構成する可能性がある。実際の結果は、この将来予想に関する記述内における予想または予測されたものと大きく異なる可能性がある。実際の結果を大きく異なるものとしうる要因には以下を含む:当該両社が予想された相乗効果と営業効率を、この合併において予想された時間の枠組内には、または全く、達成することができないリスクおよびドイツ・バイエル社(以下「バイエル」)の営業に米国モンサント社(以下「モンサント」)の営業を成功裏に統合させることを、達成することができない可能性;そのような統合は予想より困難であったり、時間がかかったり、費用がかさむかもしれない;この取引後の収益が予想より低いかもしれない;営業費用、顧客の喪失および事業の分裂(従業員、顧客、クライアントまたはサプライヤーとの関係の維持の困難を含む)が取引後に予想より大きいまたはより重要かもしれない;モンサントにおけるある重要な従業員の維持;当該両社の、この合併の会計、税務処理に関する期待を満たす能力;この取引のための借入金の再資金調達による影響;この取引に関してバイエルが負う負債の影響およびバイエル負債の格付けへの潜在的影響;統合後の会社の将来の財務状況、営業実績、戦略および計画を含むバイエルとモンサントの事業統合の効果;米国証券取引委員会(「SEC」)に提出された様式10-Kによるモンサントの2017年8月31日に終了する会計年度の年次報告書またはhttp://www.sec.govとモンサントのウェブサイトwww.monsanto.comで入手可能なモンサントのSECへの他の報告書に詳細が記載された他の要因;ならびにバイエルのウェブサイトwww.bayer.comで入手可能なバイエルの公的な報告書で検討されている他の要因。バイエルは、法律で要求されない限りこのコミュニケーションにおける情報を更新する義務を負わない。ここにある日付に限り伝えるものであるこれらの将来予想に関する記述を、過度に信頼しないよう読者は警告される。

 

バイエル ホールディング株式会社
2018年11月20日、東京