本資料は4月25日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください

 

2019年第1四半期

バイエル:力強い業績で新年度をスタート

  • グループ売上高は前年同期比4.1パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の130億15百万 ユーロ

  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比44.6パーセント増の41億88百万ユーロ

  • クロップサイエンス部門は買収後、売上高および利益の大幅な増加を計上

  • 医療用医薬品部門は売上高および利益の力強い成長を示す

  • コンシューマーヘルス部門は前年同期を下回るも、通年の業績予測を確認

  • 当期純利益は予想通り減少、買収および再編に関連する特別項目により押し下げられ、前年同期比36.5パーセント減の12億41百万ユーロ

  • 1株あたり中核利益は前年同期比13.8パーセント増の2.55ユーロ

  • 2019年の業績予測を確認

ドイツ レバクーゼン、2019年4月25日 ―バイエルグループの業績は、新年度に向けて力強いスタートを達成した。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、木曜日に行われた2019年第1四半期の決算報告において「この成功の主な要因は当社の農業関連事業であり、一方で医療用医薬品部門も力強い業績を上げました」と述べた。クロップサイエンス部門では、売上高および利益の報告値は、新たに買収した農業関連事業のおかげで、2倍超となった。医療用医薬品部門は売上高および利益の大幅な増加を達成した。一方、コンシューマーヘルス部門の事業は予想通り前年のレベルを下回った。バウマンは、バイエルグループの2019年の業績予測を確認した。 

 

当社は、動物用薬品事業からの撤退計画も順調に進めている。過去数カ月にわたる撤退選択肢の戦略的な検討を受けて、現在は売却が最初の焦点となっている。ただし、バイエルは、価値を最大化するすべての選択肢についても引き続き検討していく。分離(カーブアウト)およびさらなる準備作業が進行中である。

 

第1四半期のバイエルグループの売上高は、為替およびポートフォリオの調整後ベース(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で4.1パーセント増の130億15百万ユーロ(報告値:+42.4パーセント)に増加した。特別項目計上前EBITDAは、為替のマイナス効果が買収前のバイエルの事業の利益を1億10百万ユーロ押し下げたにもかかわらず、44.6パーセント増の41億88百万ユーロに増加した。EBITは、特別損失純額10億50百万ユーロ(2018年第1四半期:78百万ユーロ)の計上後で、15.6パーセント減の19億50百万ユーロに減少した。これに関係する主な損失は、米国モンサント社(以下「モンサント」)の買収と統合に関連する4億92百万ユーロと、発表されている事業再編に関連する3億93百万ユーロの合計である。

 

当期純利益は、多額の特別損失が原因で、36.5パーセント減の12億41百万ユーロに減少した。一方、株式数の増加にもかかわらず、1株あたり中核利益は13.8パーセント増加して2.55ユーロとなった。バイエルのフリー・キャッシュ・フローはほぼ2倍の5億8百万ユーロとなった。2019年3月31日現在の純金融負債は、為替のマイナス効果およびIFRS第16号(リースに関する新基準)の初適用により、2018年12月31日から3.0パーセント増加して、367億40百万ユーロとなった。

 

クロップサイエンス部門では買収により利益が2倍超となる

農業関連事業(クロップサイエンス部門)において、バイエルは、報告ベースで125.2パーセント増となる64億44百万ユーロの売上高を生み出した。為替およびポートフォリオの変更調整後で5.5パーセントの増加は、中南米地域および北米地域の成長により牽引されたものであり、両地域ではBASF社(以下「BASF」)とのサービス契約の効果も明らかであった。売上高は、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域でも為替およびポートフォリオ調整後ベースで微増した。一方、アジア・太平洋地域の売上高は、為替およびポートフォリオの影響調整後で若干低下した。

 

クロップサイエンス部門の売上高は、モンサント買収とそれに関連する事業売却が2017年1月1日付ですでに行われていたと仮定して売上高を提示した試算ベースでは、為替の影響調整後で前年と同レベル(-0.2パーセント)であった。除草剤および殺虫剤の売上高は為替の調整後ベースで増加した。一方で、その他は、米国およびブラジルにおける綿実の市場シェア拡大に牽引され、特に力強い成長を見せた。トウモロコシ種子および形質は前年と同レベルであった。大豆種子および形質は、中南米地域における前四半期への需要のシフトと、北米地域における作付面積の減少と競争圧力の激化によって業績が押し下げられ、最も急激な減少を記録した。

 

クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、122.8パーセント増の23億22百万ユーロに増加した。この増加は、主として新たに買収した事業からの利益貢献によるものであった。BASFに売却した事業からの利益貢献がなかったことは、これと反対の効果をもたらした。買収前のバイエルの事業に関する為替のマイナス効果67百万ユーロも利益を押し下げた。

 

2019年4月11日現在、農薬製品のグリホサートに関連して、米国において、約13,400名の原告から訴訟が提起されている。バイエルは実績ある抗弁を引き続き有していると信じており、これらすべての訴訟において自身を力強く弁護していく。

 

医療用医薬品部門では売上高および利益が増加

処方薬(医療用医薬品部門)の売上高は、経口抗凝固剤「イグザレルト®」および眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®」の力強い推移の継続と、中国において全体的に大幅成長したことにより、5.3パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の43億54百万ユーロに増加した。「イグザレルト®」の売上高は、主に中国、日本およびヨーロッパにおける販売量の増加により、14.8パーセント増加した(為替・ポートフォリオ調整後)。「アイリーア®」の売上高は、英国、フランスおよびドイツで事業が特に好調に推移したことにより販売量が増加したため、14.5パーセント増加した(為替・ポートフォリオ調整後)。

 

抗悪性腫瘍剤「ネクサバール®」および「スチバーガ®」ならびに肺高血圧症治療剤「アデムパス®」の売上高も、2桁パーセント増加した。「スチバーガ®」は、主として中国における販売量の増加と、米国における事業の大幅な改善により、最も力強い34.5パーセントの売上高増加率(為替・ポートフォリオ調整後)を達成した。「アデムパス®」の売上高は、米国およびヨーロッパにおける販売量の増加により、12.9パーセント増加した(為替・ポートフォリオ調整後)。「ネクサバール®」の11.4パーセントの売上増(為替・ポートフォリオ調整後)は、過年度の中国における製品発売と、特にドイツおよびブラジルにおける販売量の増加により牽引されたものである。多発性硬化症の再発予防・進行抑制剤「ベタフェロン®」「Betaseron™」の売上高は24.4パーセント減少したが(為替・ポートフォリオ調整後)、これは再び、主に米国における激しい競争によるものであった。

 

医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは、主として事業の非常に好調な推移と、売上原価の減少により、6.9パーセント増(為替の影響調整後:+10.0パーセント)の15億12百万ユーロに増加した。

 

コンシューマーヘルス部門の売上高は2地域で増加

セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、1.4パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)の13億95百万ユーロに減少した。為替およびポートフォリオ調整後ベースでは、アジア・太平洋地域および中南米地域において事業は拡大したが、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域および北米地域では減少した。グローバルレベルでは、バイエルは皮膚科領域で8.6パーセントの売上増(為替・ポートフォリオ調整後)を記録したが、その他の領域、特に胃腸薬(-6.0パーセント)とアレルギー薬および風邪薬(-4.8パーセント)では、事業は縮小した(為替・ポートフォリオ調整後)。

 

コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、10.9パーセント減の2億79百万ユーロに減少した。販売量の減少、売上原価の増加および売却された米国の皮膚科処方薬事業からの貢献がなかったことにより、利益は押し下げられた。コンシューマーヘルス部門で実施中の効率性プログラムの最初の効果による販売費および一般管理費の減少は、これらの要因を一部相殺するにとどまった。

 

動物用薬品事業は前年と同レベル

動物用薬品事業の売上高は、為替およびポートフォリオ調整後ベースで前年と同レベル(-0.9パーセント)の4億21百万ユーロとなった。為替およびポートフォリオの影響調整後で、同事業はヨーロッパ・中東・アフリカ地域およびアジア・太平洋地域において成長を達成した。一方、中南米地域の業績は前年と同レベルであった。北米地域では売上は急激に減少した。特別項目計上前EBITDAは前年と同レベル(+0.7パーセント)の1億40百万ユーロであった。

 

バイエルは業績予測を確認

バイエルは、2018年の為替レートに基づいた2019年の業績予測を確認した。2019年について、当社は、売上高は約460億ユーロになると予測している。これは約4パーセントの増加(為替・ポートフォリオ調整後)に相当する。バイエルは、特別項目計上前EBITDAを約122億ユーロに増加させることを目指している。一方、1株あたり中核利益は約6.80ユーロまで増加すると見られている。各セグメントの業績予測も、2018年年次報告書において公表されたものと変わりなく維持されている。これらの目標は、動物用薬品事業からの撤退計画、コンシューマーヘルス部門の2ブランド「Coppertone™」と「Dr. Scholl’s™」の売却計画、およびドイツにおけるサイトサービス会社カレンタの60パーセント持分の売却計画は考慮に入れていない。

 

注記:

下記の表には、2019年第1四半期のバイエルグループおよび各セグメントの主要データが含まれている。また、完全な第1四半期報告書はインターネット(http://www.quarterly-report-2019-q1.bayer.com/ )から入手可能。

 

AG2019

 

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活に貢献しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。また、バイエルは、持続可能な発展に尽力し、バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は396億ユーロ、従業員数は117,000名(2018年)。設備投資額は26億ユーロ、研究開発費は52億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

 

バイエル ホールディング株式会社
2019年5月9日、東京